第七十九話 呂蒙、陣を組むのことその九
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「ずっと飲んでいきたいわ」
「ずっとですね」
「そうじゃ。雪よ」
雪にだ。話すのだった。
「御主も茶は好きじゃな」
「はい」
確かな声で翁に答える。
「とても」
「ならばずっと飲みたいな」
笑顔で雪に問うのだった。
「その茶を」
「では」
「そうじゃ。そういうことじゃ」
笑顔で話を続ける。
「そなたは生きよ。命を無駄にするでない」
「翁もそう仰るのですね」
「おそらくこの世界での戦いは刹那や常世だけではない」
「他の存在もですか」
「多くのまつろわぬ者達がおる」
その彼等の存在も話すのだった。
「オロチやアンブロジア」
「他にもいるな」
守矢がここで言った。
「元々この世界に介入しようとしている者達がな」
「感じ取っておったか」
「感じていた」
そうだというのだ。彼はまさにそれを感じていたのだ。
「実際にな」
「そうじゃ。明らかに妙な雰囲気じゃ」
この世界そのものがだというのだ。
「この世界には様々なものが渦巻いておる」
「その渦巻くもの全てをですか」
「そうじゃ。封じなければならん」
翁はまた雪に話した。
「戦い、そして倒してじゃ」
「では翁」
今度は楓が翁に尋ねた。
「僕達はこの世界にいる全てのまつろわぬ存在とですね」
「戦わなくてはならん」
まさにそうだというのだ。
「一つを封じてもどうにもならんのだ」
「わかりました。では私は」
「封じるな。戦うのじゃ」
これは雪への言葉だった。
「わかったな」
「そうなのですね。私は」
「しかし。あらゆるまつろわぬ存在が集る」
翁の目が光った。その傘の奥にある目がだ。
「その中心におる者は何者じゃろうな」
「そのことだが」
ここで来たのは嘉神だった。示現もだ。
「一つ妙な話を聞いた」
「それを話していいか」
二人でだ。こう翁達に言ってきたのだ。
そしてその二人の言葉にだ。翁も返すのだった。
「うむ、何じゃ」
「この国の都のことだが」
「董卓の他にもおかしな話を聞いた」
二人は話しながら翁達の中に入った。四霊が揃った。
「何進将軍の側近だった司馬仲達だが」
「一向に姿を見せない。だが死んだ訳でもないらしい」
「生きてるのは間違いないんだよ」
今度はガルフォードが来て話すのだった。
「ちょっと半蔵さんと調べて来たんだけれどな」
「それでなのじゃな」
「そうだ。司馬慰は生きている」
「しかし姿を見せない」
「董卓に命を狙われている為潜伏している」
守矢は腕を組んで述べた。
「そういう事情・・・・・・ではないな」
「どうも違うみたいだな」
また話すガルフォードだった。
「都にいるかどうかもわからないけれどな」
「それでもか」
「ああ、死ん
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