第一章
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東京の鯉女
俗に広島東洋カープを応援する女性のことを鯉女という、最近流行りといえば流行りになっている。
東京に住んでいる富田すみれもその鯉女だ、すみれは見の周りもカープグッズで固める位の鯉女だ。
はっきりした長い睫毛を持つ丸い目に黒く奇麗なカーブを描いた眉に紅の小さな唇と高めの形のいい鼻、白い肌という顔立ちで黒髪を長く伸ばしその日によってセットを変えている。
背は一六〇位で胸がかなり大きい、そして身に着けている服も。
「すみれちゃん今日も赤ね」
「赤いコートね」
「スカートも赤ね」
「赤じゃないとね」
どうしてもとだ、すみれは出勤して同僚達に応えた。働いているのは八条銀行東京支店であり新宿にある。東京の大学を卒業して入ったのだ。尚その大学は全国的に有名なかなりの名門大学である。
「私駄目だし」
「広島ファンだからね」
「それでよね」
「カープっていうと赤だし」
「だからよね」
「そうなの、服は赤でね」
それでというのだ、見ればメイクも頬の部分はうっすらとであるが赤を入れている。
「それでいかないと」
「アクセサリーもよね」
「そっちもよね」
「すみれちゃん赤よね」
「赤で統一してるわね」
「本当にカープ好きだから」
それ故にというのだ。
「アクセサリーも。そして実はね」
「下着もよね」
「それもよね」
「すみれちゃん赤よね」
「そうよね」
「そっちも赤にして」
それで統一してというのだ。
「いつもカープを応援してるのよ」
「そうよね」
「すみれちゃん本当にカープ好きよね」
「少なくとも野球はね」
「カープ一筋よね」
「そうなの、ただお好み焼きは」
広島名物のこれはというと。
「大阪でも広島でもね」
「いいのね」
「そっちは」
「そうなのね」
「だって私東京で生まれ育ってるから」
世田谷生まれである、親は宝石商をしていて所謂お金持ちである。
「だからね」
「お好み焼きについてはなのね」
「そっちはどっちでもいいのね」
「大阪でも広島でも」
「阪神も嫌いじゃないけれど」
大阪といえばこのチームだが、というのだ。正確に言えば西宮である。
「毎年勝たせてもらってすし」
「本当に毎年よね」
「毎年カープ阪神に強いわね」
「もう毎年勝ち越してて」
「お得意様にしてるわね」
「そのこともあってね」
阪神には毎年勝たせてもらっているしというのだ。
「だから余計にね」
「阪神は嫌いじゃないのね」
「あのチームは」
「これといって」
「それに毎年勝たせてもらってて」
すみれはさらに話した。
「あのチームカラーも嫌いじゃないし」
「いいチームなのは確かよね」
「華があるのよね、何かあっても
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