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ゲート ジェダイ彼の地にて斯く戦えり
【お試し版】ゲート ジェダイ彼の地にて、斯く戦えり(……分離主義に乾杯!)
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「後方よりワープアウト反応多数、艦隊です! <ヒューベリオン>を確認。ヤン・ウェンリーです!」
「はああああ!?」


 ブリッジは大混乱に陥る。悲報は続く。


「無理な行軍に感謝する。今は一夜の睡眠より、無限の未来が欲しい心境だ。それに、少しでも敵の兵力を削っておくにこしたことはないからな」

「さらに反対方向に艦隊がワープアウト。<ネルトリンゲン>を確認。メルカッツ艦隊です。完全に包囲されました!」
「馬鹿な。ありえない! これは夢だ。夢にちがいない」
「司令!」


 思わず茫然自失とする司令官だが喝を入れられ正気を取り戻した。
 しかし、機雷と小惑星帯に囲まれ、出口は塞がれ挟撃されている。教本に載ってよいほどの見事な包囲殲滅である。


「ははははは! 皇帝を囮にしていたとは!」


 気づいてしまった。新共和国の主力艦隊を壊滅させるために、銀河帝国は皇帝を囮にしたのだ。司令官は優秀だった。優秀故に敵の罠に見事にかかってしまたことを看過し、かえって混乱してしまった。


「ええい、まずはヤン艦隊に対応するぞ、後ろへと回頭しろ!」
「司令、無茶です! 相手に隙を晒してしまいます!」
「黙れ! このまま一方的に殴られろとでもいうのか!?」


 無防備に回頭する相手のミスを見逃すほど奇跡の(ミラクル)ヤンは甘くなかった。


「敵を目前に回頭するとはね……。チャンスだ」


 戦艦が次々と爆発していく。混乱のせいか指揮を間違えたことで、英雄になる夢を抱えたまま司令は散った。
 こうして、新共和国軍は艦隊の7割を失う大打撃を受け逃げ帰っていくのだった。


 まさかの番狂わせに新共和国上層部は揺れに揺れ、混乱の最中に銀河帝国側から和平の締結を打診される。主力艦隊を失った新共和国に申し出を断る余裕はなかった。


 こうして結ばれた銀河協約は、銀河帝国と新共和国が対等に等しい内容だった。史実ではこの協約は銀河帝国の死亡証明書といってよかったが、この世界では相互に不可侵を結ぶに留まった。


 マル・アデッタの戦いで、主力艦隊を喪失した新共和国と皇帝を失った銀河帝国。その損耗はどちらが大きいのかは一概には言えない。 
 打倒銀河帝国に燃える新共和国内には、対等の協約に反発するものが多かった。しかし、穏健派はこう言ってなだめた。


「皇帝という絶対者を失った銀河帝国は、内乱に揺れ勝手に倒れるだろう」


 彼らの言うことは正しい。事実帝国内では反乱の兆しがあった。だがそのすべてを回避して見せた。大宰相トリューニヒトの手腕である。もともと主戦派を率いていたトリューニヒトは、銀河協約を渋る勢力を、持ち前の弁舌で説得。ひとまずの平穏は保たれた。
 その
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