31 帰って来た従姉
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ってくれたのよお〜。大野君に見せたらなんて言うかな〜、って思ってねえ〜」
「そ、そうなんだ・・・」
かよ子は何も言えなかった。冬田は確かに以前、大野、杉山、ブー太郎、そしてまる子と共に造った秘密基地を組織「義元」に乗っ取られた際に、その争いを鎮める為に貢献し、大野からは感謝された事がある。とはいえ、普段は大野に暑苦しくアプローチしているので、大野が「似合う」とか「可愛い」とか言うかは謎だった。それをはっきり言っても冬田を傷つける事になってしまうのでかよ子はとりあえず「大野君から『可愛いな』って言われるといいね・・・」とは言っておいた。
(雨か・・・。この前は折角晴れたのにな・・・)
かよ子は雨を憂鬱に思った。
東海道新幹線の車内。そこに一人の女性が名古屋から乗車していた。一時間ほどしてて列車が静岡に到着すると同時に下車した。そして静岡市と清水市を結ぶ列車に乗り換えた。清水市内の小さい駅にて降りるとそこからとある家に到着した。
「只今〜」
「あ、さり、お帰り!」
さりと呼ばれたその女性は母親に上がられた。
「健ちゃんいる?」
「いるよ」
さりは実家に居候している従弟に会いに行った。その従弟は学校から帰って勉強疲れなのかその場で昼寝していた。さりは従弟の顔を覗く。
「健ちゃん、久しぶり〜」
「・・・ん?」
三河口は目を開けた。その場に年上の女性がいた。三河口は従姉の羽柴さりだとすぐ気づいた。
「ああ、さりちゃん。ご無沙汰しております・・・」
三河口は従姉とはいえ、年上だからか常に敬語で接している。三河口は起き上がった。
「すみません、折角帰って来たというのに寝てしまって・・・」
「いいよ、気にしないよ」
「隣のかよちゃんは元気にしてんの?」
「はい、おっちょこちょいやってますけど元気ですよ」
「んじゃ、会いに行こうっと」
さりは隣家へと向かう。三河口も付き添った。
かよ子は母と話していた。
「お母さん、今日隣のおばさんのところのお姉さんが帰ってくるんだって」
「ああ、さりちゃんね。おばさんから聞いたわ」
その時、インターホンが鳴った。かよ子の母が玄関に向かうと、噂をすればの隣家の羽柴家の娘だった。その従弟もいた。
「こんにちはー!」
「あら、さりちゃん、久しぶり!」
「おばさん、久しぶりです!」
「あ、お姉ちゃん・・・!」
かよ子も玄関へと出た。そして相変わらずのおっちょこちょいをやってしまった。廊下を滑って転んでしまった。
「ああー!!」
「相変わらずのおっちょこちょいね」
かよ子は恥ずかしくなってしまった。
「で、さりちゃん、何かあるのでは?」
三河口が聞く。
「ああ、そうそう。折角帰って来たし、皆で私の家で食事如何ですか?」
「え!?いいんですか!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ