第七十九話 呂蒙、陣を組むのことその五
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「そんなの何時か大きくなるわよ」
「けれど高校生だよな」
「そっちの世界じゃね」
「高校生になるとなあ」
ドンファンは腕を組んで真面目な顔で話した。
「そうそう大きくはならないぞ」
「成長期じゃない」
「それは男の話だよ」
ではだ。女はどうかというのだ。
「女の子は高校生になるとそんなにな」
「成長しないっていうの?」
「そうだよ。ましてや十八になるとな」
もう成長はしないというのだ。
そうした話をしてであった。ドンファンはさらに言った。
「そもそも絶対に十八じゃないだろ」
「まだ言うのね」
「だから見えないっての」
「兄さん、あれじゃないんですか?」
ここでジェイフンが兄に話す。
「そういうことにしないと駄目なんじゃないですか?」
「十八にしないとか」
「はい、色々な事情で」
「ってそういえばこっちの世界ってあれよな」
ドンファンもふと気付いたのだった。
「元々は」
「うむ、それは言わぬ方がよいぞ」
黄蓋が釘を刺す。
「そこまではな」
「そうだな。じゃあそういうことでな」
ドンファンもそのことに頷く。そしてなのだった。
再びチヂミを食べていく。それでだった。
ふとだ。また呂蒙が言うのだった。
「ところでシャオ様」
「何?」
「今の我が軍の陣ですが」
話すのはこのことだった。
「進軍中の陣ですよね」
「そうよね。今はね」
「そろそろ左右から敵が出て来てもおかしくないですね」
「そうじゃな。敵の中にはじゃ」
黄蓋もそのことについて言及する。目が鋭くなっている。
「張遼や華雄といった強者がおる」
「そして何よりもです」
呂蒙の顔は警戒するものになっていた。そしてだ。
彼女の名前をだ。ここで出すのだった。
「あの呂布さんがいます」
「あ奴は尋常ではないぞ」
黄蓋から見てもだ。呂布はそうなのだった。
「わし一人では絶対に勝てぬ」
「祭でも駄目なの?」
「それも弓においてじゃ」
彼女が最も得意とするだ。その弓でもだというのだ。
「呂布には勝てぬ」
「呂布さんは武芸百般の方です」
とにかくだ。武芸ならば誰にも負けないというのだ。
「弓も当然ながらです」
「そうじゃ。あの弓には勝てぬ」
黄蓋も真剣な顔で話す。
「百歩離れた場所の槍の穂先に当てることができる位じゃ」
「恐ろしい話だな」
鷲塚がそれを聞いて言った。
「弓をそこまで使うというのか」
「そうじゃ。おそらく紫苑や夏侯淵よりも遥かに上じゃ」
その二人ですらだというのだ。
「あの者が急襲を仕掛けて来れば」
「連合軍が壊滅しても不思議ではないです」
呂蒙はそのことを危惧していた。
「せめて。何時来ても対処できるようにしておかないと」
「ではそのこ
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