閑話@キャロル
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
日かけて作ったケーキ、ミルフィーユやフルーツババロア、オペラケーキにショートケーキ。
『その全て』を食べ尽くした後、彼女は満足げに呟いた。
「ふん、流石は私が見いだした料理人だな、誉めてやろう!」
満足げ首肯くキャロルに、真面目な表情を崩さずに誠治郎は言った。
「はい、キャロル様の錬金術で安定した高品質の材料を卸していただいているお陰です」
「そうだろう!」
うんうん、と満足げにキャロルは首肯した。
そう、それが誠治郎の会社の秘密。
食品会社、しかも大規模の会社を立ち上げる際、一番大事なものは何か。
勿論、それは人によって様々ではあるが、恐らく多くの人間はこう答えるだろう。
『高品質な原料を安価で仕入れること』と。
そして当然のごとく、多くのルートは既得権益を持つ古くからの会社が握っている。
つまりは、このハードルをクリアしない限り、大して利益をあげられない→成長に歯止めがかかるのだ。
ちなみに、これは小さな定食屋から大きなチェーン店まで共通しており、ここを押さえるか押さえないかで、利益率に大きな差ができる…………
話がずれた。
つまりは『提携』である。
四大元素すら操る彼女にかかれば、土の質を上げたり、品種改良を促進したりは朝飯前である。
つまりは、元手がほぼ掛からないで土壌改良、果実や野菜の成長促進、虫除けなどが可能!なのである。
誠治郎は、そこに目をつけた。
…………え?世界全部に干渉できる術士が側にいるのに、やることがセコい?
なんか才能の無駄遣いのように聞こえる?
そもそも、世界全部に干渉できる術式とか見せられても、その…………困る。
こちとら料理人である。
好意で○オナズンとか、エターナル○ォースブリザードとか覚えさせて貰っても、どんな料理に使うの(マジレス)?
元手ほぼかからない土壌改良などを、誰も買わない土地買った後に施して、品質上げて値段も上げて、土地周辺の価値も上がって皆ハッピー、自分もハッピー。
これが自分にはベスト。
え、そんな『ズル』して良いのかって?
多くの人間に迷惑がかからないのかって?
いや、そもそもこの世界、ノイズという明確に人間を殺傷する災害のせいで、一次、二次産業の区別なくマンパワーが足りず、このまま人のスピードだけで産業続けてたら、いずれ餓死者続出だし。
機械で全ての工程をオートで行うというのも、現状無理。
残念ながら21世紀の技術では限度があるのだ。
そのため、自分の(ほぼキャロルの功績)の野菜、フルーツなどは人々の豊かな食生活に一役かっている。
だから、セーフ!(再確認)
多少の『ズル』で食料を大量生産して、多くの人間に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ