第七十九話 呂蒙、陣を組むのことその二
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「しかも動かれれば騒動を起こされる」
「何か子供の頃からだったんだな」
「麗羽様って本当に変わらないんですね」
「華琳様もだ」
曹操もだというのだ。
「あの方も幼い頃から同じだった」
「夏侯淵さんも大変なんだな」
「麗羽様だけでも大変なのに」
「夏侯惇さんもいるしな」
「苦労されてたんですね」
「おい、そこで私の話になるのか」
夏侯惇は二人に対して身を乗り出して抗議した。
「華琳様ではなく私なのか」
「だって。曹操さんってうちの姫とか夏侯惇さんみたいにやたら前に出ないしさ」
「騒動も起こしませんし」
「私は騒動など起こしたことはないっ」
自覚なぞ何一つとしてしていない言葉だった。
「私にあるのは華琳様に対する忠誠だけだ」
「けれど周り見えてないですよね」
「そこが問題なんですけれど」
「周り?見る必要があるのか?」
またしても言う夏侯惇だった。
「忠誠以外の何が必要なのだ」
「だから問題なんだよな」
「文ちゃんも結構そんなところあるけれど」
さりげなく相棒のことも言う顔良だった。
「けれど。夏侯惇さんの場合は」
「あたいよりやばいからな」
「うう、言われ放題ではないか」
「まあ落ち着け姉者」
妹が苦い顔になる姉に助け舟を出した。
「この戦は激しいものになる。そうなればだ」
「私の力が必要となるな」
「そうだ。その時に思う存分戦ってくれ」
こう姉に言うのだ。
「周りは私が固める」
「秋蘭、そうしてくれるのか」
「うむ、そうする」
こう言ってだ。姉をフォローするのである。
「姉者を放ってはおけないしな」
「済まないな、本当に」
「気にすることはない」
優しい微笑でだ。夏侯淵は姉に話す。
「姉者はそれでいいのだ」
「そうか。前に突き進むのがだな」
「それが姉者のいいところだ」
この言葉も姉に話すのだ。
「一途なところがな」
「一途過ぎるんだよなあ」
「あちらの世界ではブレーキがないって言うらしいけれど」
文醜と顔良がまた言う。
「けれど。確かに猪突猛進じゃない夏侯惇さんってな」
「それってらしくないよね」
「だよなあ。結局それが夏侯惇さんのいいところだよな」
「前に前にっていうのが」
そんな話をしてだった。彼女達は進軍するのだった。
そして第三陣はだ。第二陣とはまた違った賑やかさの中にあった。
休憩中にだ。第二陣からドンファンとジェイフンが来てだった。
チヂミを食べながらだ。呂蒙達に話すのである。
「まあ第二陣もそんな感じでな」
「結構大変なんですよ」
「ううん、袁紹さんと夏侯惇さんですか」
「それと茶色い猫と黒い猫な」
「あの御二人は喧嘩ばかりです」
「あの二人じゃな」
一緒にいる黄蓋がここで言った。彼
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