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日本人は少食
第三章
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「それで仕送りも毎月かなりしてもらってるから」
「食べるのには困らないんだ」
「そういえば君マンションもいいところだね」
「そこに暮らしているね」
「幸いにね、けれどね」
 それでもとだ、カーライルはどうかという顔で言うのだった。
「それでもだよ」
「日本の食事は量が少ない」
「そのことがとにかく気になるんだね」
「どうにも」
「そうなんだ、だからね」
 それでというのだ。
「僕としてはそこが不満だよ」
「そうは言ってもね」
「これが日本の食事と言えばそれまでだしね」
「実際日本人は少食の傾向があるからね」
「そこはどうしてもだね」
「そうなんだね、だから家で作る時なんて」
 カーライルはその時の話もした、実は彼は自炊する方で食器洗いや掃除や洗濯もいつもしているのだ。
「もうね」
「沢山作るんだね」
「日本人から見たら相当な量を」
「そうして食べてるんだね」
「カレーライスなんかね」
 これを作る時はというと。
「とても大きな鍋に大量のお野菜やお肉を入れて煮て」
「勿論カレールーも忘れない」
「そうして作ってだね」
「ご飯も沢山炊いて」
「それで食べるんだね」
「そうなんだ、お店で食べるカレーライスも」
 こちらもというのだ。
「僕にとっては少なくて」
「それでだね」
「困ってるんだね」
「君としては」
「そうなんだ、本当に日本の食事は量が少ないよ」
 こう言ってぼやくのだった、日本には馴染んでいても食べものの量についてだけはどうにも馴染めなかった。
 そんな中で東京での留学生活を続けていると。
 スーパーに六時過ぎに入るとだった、彼は食品に貼られているシールを見てスーパーの店員に尋ねた。
「ちょっといいですか?」
「はい、何でしょうか」
「この商品ですが」
 唐揚げ弁当を指差して尋ねた。
「このシールは」
「ああ、半額のですね」
「これは何でしょうか」
「はい、その商品は値段が半額です」
 そうなっているとだ、店員はカーライルに説明した。
「賞味期限近くなので」
「それで、ですか」
「そうです、賞味期限近くになりますと」
 その時になるとというのだ。
「商品は半額で売る様にしています」
「そうですか、それなら」
 ここでカーライルはふと思った、確かにお金のことは気にならない。実家が裕福で仕送りも多いだけに。だが。
 同じ値段で二倍帰る、半額なら。それで店員に尋ねたのだ。
「じゃあ唐揚げ弁当二つ買えますか」
「はい、半額と半額で」
「そうですか」
「買われますか」
「是非、二倍あれば」
 量がそれならとだ、カーライルは答えた。
「何の問題もないです」
「それではですね」
「これ二つ買って」
 そしてとだ、カーライルは店員に話した
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