第一章
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日本人は少食
オーストラリアのプリズベンから日本の東京に来たラルフ=カーライルは日本のある牛丼のチェーン店で牛丼特盛を注文して驚いた、それで店員にたどたどしい日本語で尋ねた。
「ちょっと、いやかなりいいかい?」
「かなりですか」
「そうだよ、僕は特盛を頼んだよな」
「はい」
その通りだとだ、若い男の店員はカーライルに答えた、彼の短い赤毛と彫のある青い目が目立つつくりの大きな顔と一七八程の中背の体格を見つつ。見ればティーシャツとジーンズがよく似合っている。
「生卵とお味噌汁も」
「そうだよな、特盛だよな」
「間違いありません」
「それにしちゃ少なくないかい?」
カーライルは店員に真顔で言った。
「普通じゃないよね」
「間違いなく特盛です」
店員はカーライルの牛丼を見てから答えた。
「そちらは」
「ううん、このお店はプリズベンでもあるけれど」
「プリズベンといいますと」
「僕の故郷だよ、オーストラリアの」
「そちらでしたか」
「そちらの特盛よりずっと少ないね」
こう言うのだった。
「これは皮肉とかじゃなくて事実だよ」
「そうなのですか」
「いや、これだけだと足りないかな」
「ではもう一杯注文されますか」
「そうしようかな、特盛を」
今頼んだそれをというのだ。
「これを食べた後でね」
「ではその時にまた」
「うん、あと僕生卵は大丈夫だから」
こちらはいいというのだ。
「安心してね」
「そうなのですね」
「あっちで試しに食べてみて美味しかったから」
カーライルはこのことは笑顔で述べた。
「そちらはね」
「召し上がられますか」
「というか牛丼に生卵は欠かせないね」
笑ってこうも言うのだった。
「だから今から食べさせてもらうよ」
「それでは」
「お味噌汁もね」
こう言ってだった、カーライルは食べはじめた。そして実際に特盛をもう一杯頼んでそちらも平らげた。
この店だけでなく彼は日本の店そしてスーパー等で売られている食べものの量の小ささには驚かされた、それで大学の同級生、日本人である彼等に話した。
「日本人は少食なのかい?」
「そう言われるとね」
「そうかも知れないね」
「日本人が少食かっていうと」
「他の多くの国の人達から見ればそうかな」
「否定出来ないね」
友人達もこう返した、彼等にしても否定出来ないものがあった。
「アメリカに行った時ハンバーガーとかのボリュームに驚いたし」
「イタリアのパスタの量も多かったよ」
「ドイツで頼んだ豚肉とジャガイモ料理の巨大なこと」
「中国人って凄い食べるよな」
「ノルウェーから来たユワンセン君は流石バイキングの子孫だよ」
大柄で大食だったバイキングを彷彿させるとい
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