第63話
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スーツ姿の男達の両手を背中に回して手錠で拘束して口にガムテープを貼った後素早くその場から去った。
「……今の連中はメンフィルの諜報関係者か?」
「ええ。この町にも情報収集で彼らが潜伏していた事も知っていたから、念の為にレン達がこの町にいる間だけ影からの護衛をしてもらっているのよ。――――――今みたいに、”皇帝銃撃犯”を知っている地元の人達がお金欲しさに”密告”する可能性も十分考えられたもの。」
「ハッ……………]
クロウの質問に答えたレンは意味ありげな笑みを浮かべてアッシュに視線を向け、視線を向けられたアッシュは鼻を鳴らした。
「ま、何はともあれ”彼女”と行動を共にしている間の私達を狙った事は運が悪かったようだね、ヒューゴ君。」
「そうかしら?レンはむしろ運が良い方だと思うわよ?もし同行者がエヴリーヌお姉様だったら、確実に向こうに”死者”が出ただろうし、レーヴェは加減はするだろうけど、”ヒューゴ・クライストごと敵は全員纏めて斬って痛い目に遭わせる”と思うもの♪」
真剣な表情でヒューゴを見つめて呟いたアンゼリカの言葉に小悪魔な笑みを浮かべて指摘したレンの推測を聞いたトワ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「ヒューゴ君……”実家”を守る為とは言え、同じトールズの仲間だった私達を裏切った上政府に売る事に何も思わなかったの……?」
「……くっ…………仕方ないでしょう!この戦争でエレボニアが敗戦すれば政府との太いパイプがある『クライスト商会』もその煽りを受けて、多くの失業者達を出す事になるんです!」
気を取り直して悲しそうな表情を浮かべたトワの問いかけに唇を噛み締めたヒューゴが反論するとヒューゴの足元から黒い瘴気が発生した。
「そもそもあのリィン達が最初に僕達を裏切ったんですから、リィン達に裏切られた貴女達に僕の事についてとやかく言われる筋合いはありません。――――――ましてやこの状況になってもなお、”和解”なんて甘い事を考えているオリヴァルト皇子の考えに賛同している貴女達の事は理解できませんし、ついていけません。僕は絶対にこの”激動”の時代で商会を守り抜いてみせます……!」
そしてヒューゴはトワ達を睨んだ後その場から走り去った。
「ヒューゴ君…………」
「まさかリィン達に続くトールズから離れて別の勢力につく人が現れるなんて完全に想定外だったね。」
ヒューゴが去った後トワは悲しそうな表情で肩を落とし、フィーは複雑そうな表情で呟いた。
「それよりも一瞬だけ見えたヒューゴ君を纏っていた”黒い何か”。まさかあれも帝国の”呪い”なのか……?」
「幾ら実家のためとはいえ、ヒューゴにそこまでの度胸がある事に違和感を感じていたが…………」
「クスクス……―――でも今回の件で、トワお姉さんたちにとっては”黄昏”による”呪い”によって
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