第63話
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たのかしら?」
「里の店でいいカツラを見かけてな。メガネも見繕っておいた。」
「ん、悪くないカモフラだね。さすがに親しい人には見抜かれそうだけど。」
感心している様子のレンの疑問にアッシュが答えるとフィーが静かな表情で指摘した。
「………わかってるっつの。そんじゃ情報収集、始めるか。」
その後ラクウェルでの情報収集を開始したトワ達はまず、多くの人々が集まっていると思われる食堂に入った。
〜パブ・食堂”デッケン”〜
「……はあ……ああ、いらっしゃい。6名様だね?どこでも好きな席に――――――ア、アンタは…………!」
トワ達が入ると食堂の女将が覇気のない様子でトワ達に声をかけたが変装したアッシュに気づくと血相を変えた。
「……ったく、アンタって子は…………いつもいつも突然っていうか。でも……よかったよ。こうして無事に帰ってきてくれて。おかえり――――――アッシュ。」
「あ…………」
「どうやら地元の知り合いみたいだね?」
「ああ、この店は昔からの行きつけの店だ……アンタも相変わらずみてぇだな。」
安堵の表情を浮かべて親しみのある笑顔を浮かべた女将の様子にトワは呆け、アンゼリカに訊ねられたアッシュは女将――――――モーリーに静か笑みを浮かべて答えた。
「ん……女将さん、誰ッスか?ってどっかで見たような―――って、ええっ1?まさかお前は……」
「……ハハ、マジかよ。」
するとその時コックのシリュー、客の一人だったブラッドがアッシュに気づくとそれぞれ血相を変えた。その後トワ達はモーリー達と対面して会話を始めた。
「……本当に心配したよ、アッシュ。連合から送り込まれただなんてとんだ濡れ衣を着せられて……でもこうして仲間と一緒に……きっとアンタのお母さんが導いてくださったんだねぇ。」
「ハッ……どうだかな。」
「ったく、素直じゃねぇヤツだな。」
「うふふ、さすがに地元の親しい人達はアッシュの事を信じていたみたいね。」
モーリーの言葉に対して鼻を鳴らしたアッシュにクロウが苦笑している中、レンは興味ありげな表情でモーリー達を見回した。
「ハハ、まあガキの頃から知ってるお前がシカクとかそもそも在り得ねえし、なぁ?」
「……クク、まぁお前ならそれくらいこなしちまう気もするけどな。」
「……へっ、褒め言葉として受け取っといてやるよ。」
昔からの地元の友人であるブラッドの言葉にアッシュは不敵な笑みを浮かべた。
「しかし皇太子殿下が行方不明か……アンタたちも大変なんだねぇ。」
「……その関係で情報を集めています、最近、何か変わった事はありませんか?」
「んー、変わったことっつうと……近頃観光客が増えたってのと。妙に身なりのいい連中が出入りするようになったくらいかねぇ?」
「身なりのいい連中……?」
トワ
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