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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第63話 姉妹の再会!黒歌の過去と向かうは再生の国ライフ!!
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閉ざしてしまった。


「……何か事情があるのかしら?」
「違うにゃ……ただこのことを話したらきっと白音は私を嫌いになるにゃ、だから言えないんだにゃ」


 小猫ちゃんが黒歌を嫌いになる?一体どういう事なんだ?


「姉さま、姉さまは部長達に出会うまでたった一人で私も守ってくれた大切な人なんです。そんな姉さまを私が嫌いになるはずがありません。だから教えてください、姉さまが一体どんな思いで今まで生きてきたのかを……」
「白音……うん、分かったよ。私も覚悟を決めるよ」


 小猫ちゃんの説得で黒歌は話の続きを言い出した。


「リアスの言う通りその時魔王は私の保護も申し出てくれたんだにゃ、でも私はそれを断った」
「どうしてですか?」
「……信用しきれなかったんだにゃ。当時は白音以外はすべてが敵のように思えて誰かを信じるなんて気持ちが無くなっていたんだ……魔王を頼ったのも白音を守るためだった、本当は頼りたくなかったんだ。でもそんな考えだったからこう思ったんだろうね……『もしかしたら気が変わって私達を裏切るかもしれない』って……」


 アーシアの言葉に黒歌はそう返した。


(すべてを信じられなくなっていた、か……)


 普通の人が聞けば何を言っているんだと思うだろうが実際に彼女はそんな世界を生きてきた。信頼できる存在は亡くなったご両親と小猫ちゃんしかいなかったんだろう。


「なら同族である妖怪に助けを求めればよかったんじゃないのか?」
「無理にゃ。妖怪はよそ者には冷たいし私のしたことで関係の無い猫又まで襲われたらしいにゃ。だから恨みも相当買っていたし正体を知られたら同族にすら殺されていたと思うにゃ」


 ゼノヴィアの言葉に黒歌はそう返した。同族すら敵……味方がいない状況でたった一人で戦ってきたのか……


(俺なら耐えられないだろうな……)


 俺には親父やココ兄達がいたが彼女は小猫ちゃんを守るためにたった一人で孤独に戦ってきたんだろうな。きっと言葉では表せれないくらいの絶望を味わってきたに違いない。


「私は最終的にあろうことか犯罪者の集まりである『禍の団』に身を置こうとしたにゃ。そこのボスに取り入って隙を見て白音をグレモリー家から連れ出して安息の日々を送る……そんな計画を立てていたんだ」
「姉さま……」
「ごめんね、白音。今ならハッキリと言えるわ、あの時の私はどうかしていた……もしあの申し出を素直に受けていたら白音と一緒にいられたのに私は自分でソレを捨ててしまったんだにゃ……」


 ポロポロと泣きながら小猫ちゃんに謝罪する黒歌を見て、俺は自分がどれだけ恵まれているのか改めて思い知った。信頼出来る人物がいない、なんて恐ろしいことなんだろう。



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