第7章:神界大戦
第231話「終わる世界」
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撃としてではなく、開放した魔力の範囲内を“領域”として定める。
そうする事で、ただの攻撃よりも遥かに効果的に“天使”達をはじき飛ばす。
神界の法則への理解が深まったからこそ、できた芸当だ。
「まともに戦わないで!自分の“領域”を意識すれば、勝てない相手じゃない!」
「(とは言っても、この状況どうすれば……!?)」
現在は、先手を取られて一斉に襲撃を受けている。
八束神社を守るように陣形を組んでいても、事態は好転しない。
「(……いや、どうであれ、負ける訳にはいかない!)」
まずは目の前の脅威を退けるのが先決。
そう判断し、一旦余計な思考を全て切り捨てる。
「(三回目……!)」
そこへ、さらに再び高エネルギーが神々に集束する。
二撃目と同じように……否、それよりも完璧に防ぐ心づもりで迎撃しようとし……
「ッ!!」
二回目とは、全く違う事に気付く。
実際に放たれた威力は、二回目よりも遥かに劣る。
だが、同時に黒い立方体のようなものが投下されていた。
それは一定距離落下した直後、何かを放出した。
「なっ……!?」
完全に把握はしきれなかったが、一部の勘が鋭い者は気づいた。
何かが変わった事に、今もなお変えられている、否、侵蝕されている事に。
「この感覚は……大門の時の!!」
「って事は、あの黒いのが……!」
「地球を……ううん、世界を特異点に変えた、エラトマの箱……!」
旧称“パンドラの箱”。
当時は詳細不明だったロストロギアだが、現在は優輝を通じて祈梨からどんなものか知らされている。
その真偽は今では二人共いないため分からないが、最低でも“世界そのもの”に影響を与えるものだという事は理解できた。
「ッッ、させない!!」
それが、数十個、数百個という数を投下された。
咄嗟に司が“領域”として魔力を広げるが……
「うっ……ぷっ……!?」
その魔力すら、エラトマの箱から放たれる波動が侵蝕する。
全身を掻き回されるような感覚に襲われ、司は吐き気を催す。
「嘘だろう、これ……!?」
「どうしたの!?」
続けて紫陽が声を上げる。
「……生と死の境界がなくなった……!世界の法則が打ち消されている……!」
「それって……」
「現世だけじゃない。幽世も、黄泉も、外つ国の冥府も、全ての世界の境界が消えていると見た。……あらゆる法則が壊れた。何が起こるかわからない……!」
「っ……」
破壊の瞳で攻撃を破壊して凌ぎつつ、緋雪は紫陽の言った事に歯噛みする。
今この状況において、肉体的な死はなくなった。
それ自体は戦う事において利点にはなる。
だが
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