第7章:神界大戦
第231話「終わる世界」
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スはガツンと頭を殴られたように錯覚する。
「それは僕の“性質”が許さない。光も、闇も、善も、悪も、関係ない!もっと、広く世界を見るべきだ!……それが、お前を止める理由だ。イリス!!」
理力がうねる。
会話している間に、“領域”同士の削りあいは続いていた。
もちろん、このままで負けるのは男の方だ。
故に、男は先にもう一手を打った。
「何を……!?」
「どうあっても、お前を倒す“可能性”はないからな……!僕の全てを以って、お前を封印する!!」
「なっ……!?」
神界の神は、本来不滅だ。
何があっても、完全に消滅する事はない。
だが、何事にも例外はある。
神の“領域”や根幹から何もかもが消え去れば、その存在も消えてしまう。
神が神として存在する要素を失えば、それはもう神として生きられなくなる。
それを、男は行おうとしていたのだ。
「……願っているぞ。お前が、可能性に目を向けるのを」
「……貴方、は……」
理力の奔流が、二人を包み込む。
理力の嵐が晴れた時、そこには幾重もの淡い金色の結晶があった。
その中心には、イリスの“闇の性質”の象徴とする闇色の人魂のようなものがあった。
―――それは、かつてあった戦い。その断片の記憶……
「っ……!……夢……」
目を覚ます。視界には、見慣れた天井があった。
その者は、目が冴えてしまったのか部屋にあるカーテンを少し開けて外を見た。
「……まだ、夜ね」
晴れた夜だ。綺麗な夜空が、その窓からよく見えた。
「……もうすぐ、決断する時が来るのね」
それを見る彼女の目は、どこか寂しそうだった。
だが、その奥にあるものは、その寂しさを遥かに上回る“覚悟”だった。
「……その時は、お別れね“私”」
まるで、自分ではない自分に言うように、彼女は呟く。
そのまま、カーテンを閉じ、再び彼女は眠りについた。
「……さて、そろそろ行きましょうか」
神界にて。
傍らに優輝を侍らせながら、イリスはそう宣言する。
「準備は整いました。蹂躙の時間です」
イリスの周囲には、数えきれない程の神々と“天使”がいる。
総力戦とまではいかないが、一つの世界を滅ぼして余りある戦力だ。
「まずは、あの世界への道を再び開きましょうか!」
次の瞬間、理力が迸る。
そして、それが放たれ、それは神界を突き進まずに何かに当たったように消える。
「ふふふ、あはは!元の世界に逃げ込んだ程度で、終わり
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