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ヘタリア大帝国
TURN30 左遷その八
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「私は全てを失った。誰も助けてはくれなかった」 
 それがだ。レーティアが見てきたものだった。
「私は見たのだ」
「人の仮面の裏を」
「見た。御前が言うそのものをだ」
「そうね。私が間違っていたわ」
 レーティアのそのあまりにも辛い過去、その話の前にだ。
 グレシアは納得したのだ。それも確かに仮面の裏だった。しかしだった。
 この時グレシアも気付いていなかった。レーティアは人の裏の顔、仮面の裏は確かに知っていた。しかしその仮面の裏は決して一つではないということに。
 このことに気付いていなかった。それは生粋の邪悪と言うべきものだということを。
 気付かないままだ。グレシアは言うのだった。

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