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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
056話 文化祭編・開催2日目(03) まほら武道会・本選開始 その3
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い風圧が巻き起こり、タカミチは「一撃目はサービスだ」と言って舞台に“それ”を叩きつけた。






『咸卦法』
呪文詠唱が行えないタカミチが文字通り血の吐くような努力と鍛錬を重ねて会得した気と魔力を融合させるというもの。
あらゆる身体能力向上、物理・魔法防御、耐寒、耐熱……etc。
自在に操るのも骨を折るものだが、そんな様々な能力を一気に付加できることからこの世界でも最上位に位置するという究極技法(アルテマ・アート)




―――閑話休題



とにかくそんなものを居合い拳に乗せたものなのだから威力は推して知るべし。
何度か魔法世界の仕事で見たがやはり凄まじいの一言に尽きる。
舞台の上には文字通り大砲でも撃ちつけられたかのように大穴が開いてしまっていた。

………実際のところ、あれでもまだ優しい部類なのだからたまったものではない。
タカミチ自身、今は亡き師匠にはまだまだ及ばないと言っているが本気を出せば数発打てばこの会場は耐え切れずに沈むことだろう。

そしてそれを間近で見せられたしまった当のネギ君は少し…いや、かなり戦意を削られたようで意気消沈気味だ。
だがタカミチも回復を待ってくれるほど優しくは無い。次々と居合い拳を放ちネギ君に反撃の余地を与えようともしない。
観客、そしてアスナ達も騒ぎ出す中、次第に避け切れなくなってきているのかまだまだ荒削りの瞬動で避けてはいるが傷をもらっている。

ネギ君は完全に防戦に徹してしまったためか頭上を簡単にタカミチに取られてしまい『風花・風障壁』だったか? それで何とか防いだがそれも一瞬。
魔法使用後の間にタカミチは背後を取り、ネギ君はなんとか反応できたがそれは既に手遅れ。
居合い拳を腹にもろに受けてしまい体勢もままならないまま打ち下ろしでの居合い拳を喰らってしまいついにネギ君は地に沈んだ。


朝倉はもう虫の息であるネギ君を見て無理だと判断し、少しタカミチを睨みながらも勝利宣言を無理やり上げさせようとしていたが、タカミチは未だ地に仰向けに倒れているネギ君に「君の想いはこんなものか?」と無表情だがそれゆえに冷徹な眼差しで問いかける。
ついでアスナが大声でネギ君に叱咤の言葉を泣きながら上げて、刹那達…観客席からも宮崎や他の生徒も声を上げだしそれに応えてかネギ君はふらつきながらも立ち上がった。
そして秘策でも思いついたのか無詠唱でなにかしら魔法を唱えて体勢を整える。
その気合からくるものが観客にも伝染し盛大なエールを生み出した。


ネギ君は体勢をしっかりと保ちまわりに九矢を待機させながらタカミチに吶喊。
だがタカミチはすべての拳をいなし、受け止め反撃をしてせっかく溜めた魔法の射手もキャンセル…いや、あれは自ら消したな?
とにかくまた
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