第百三十七話 肝その八
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だがそれがなかったと聞いてだ、彼は言った。
「では東も騒がしいな」
「はい、何かとです」
「東は多くの国人が存在していまして」
「争いが絶えませぬ」
「一つの国を確かな家が治めている場合もありますが」
「これまでの近畿と同じくです」
「国人達が多く」
そしてというのだ。
「お互い争っています」
「そうしている状況ですので」
「こちらに来る余裕がある家はありませぬ」
「これといって」
「そうか、では攻める時はだ」
英雄は老中達の話を聞いて述べた。
「その国人達を個々にな」
「降すか攻めるかして」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですな」
「こちらに組み込んでいく」
その様にしていくというのだ。
「是非な」
「そして東にもですね」
「勢力を拡大していき」
「やがてはですな」
「この浮島全体を」
「一つにする、もうこれで浮島の半分だ」
実質六割はある。
「それだけ領土にした」
「あと半分」
「その半分も手中に収め」
「その後は」
「西の浮島とも連絡を取りたい」
久志達がいるそちらともというのだ。
「そちらも順調な様だしな」
「聞いたお話によりますと」
「その様ですな」
老中達もこう答えた、西の浮島のことについて。
「湖の周辺から順調にです」
「領土に収めていて」
「そしてです」
「そこからです」
「勢力を順調に拡大されているとか」
「その辺りの話を聞くか」
英雄は確かな声で言った。
「あいつ自身から」
「あいつといいますと」
「西の浮島のその方からですか」
「聞かれますか」
「そうするか」
こう言うのだった。
「本人からな」
「棟梁はあの方と今もですね」
「そうだ、やりとりをしている」
起きた時にしているとはこの世界の者達に言っても流石に信じられないと思ってだ、英雄はこのことを隠して話した。
「実際にな」
「そうですか」
「ではですね」
「西の浮島の棟梁の方から」
「実際に状況をお聞きしますか」
「そうしよう」
こう言って実際にだった。
英雄は久志本人から話を聞くことにした、それで起きた時にだった。
大学で久志と会い彼から話を聞くことにした、それで彼を大学の食堂の一つに案内した。そうしてだった。
久志にそちらの状況を尋ねると彼はレモンティーを飲みつつ言った。
「ローマ帝国の苦労がわかったぜ」
「そうした感じでか」
「ああ、戦ってな」
そうしてとだ、久志は英雄に話した。
「領土を拡大してな」
「政もだな」
「してきたぜ」
「そうか、苦労してきたか」
「かなりな、けれどな」
苦労はした、だがそれでもというのだ。
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