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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
055話 文化祭編・開催2日目(02) まほら武道会・本選開始 その2
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わめく。
だがそこで終わりではないらしく古菲は布をしならせてまるで腕の延長線のように打撃を叩き込む。

「布の槍!!」
「おおおっ、珍しいモンを!!」

と、ネギ君と小太郎は驚きの表情をしていた。

「布槍術か…俺もたまに使う事があるが古菲が使えたとはな。だが隙は大きいな。龍宮は避けると即座に硬貨を打ち出してカウンターを決め込んでいるからまったくといっていいほどダメージを与えきれていない…」
「そうですね。ですが致命傷だけはしっかりと避けるところ古もなにか考えがあるのでしょう。なにかを狙っているようです」
「あのさー…士郎さんと刹那さん、解説席に座った方がいいんじゃない? あのリーゼントなんかよりよっぽど向いていると思うわよ?」
「「いやいや…いざ解説となると―――……」」

アスナの言葉に反論しようとしたら、そこで俺と刹那の言葉が重なる。そしてまたもや「む…?」と同時に首を捻ってしまった。

「…さすがパートナーね。息もピッタリだわ」
「「………」」

反論の言葉も出ない。少し二人して落ち込みながらも舞台は最終局面に入る。
古菲の放った布が龍宮の腕に巻きつき一気に引き寄せられて龍宮も焦り顔になる。
さらにチャンスなのか古菲は布を捨ててしまった。かわりに拳を握り締めて両手に力をこめた。
最後に龍宮の胴に古菲は手を添えた。
龍宮も硬貨を地面に散ばせながらも一発古菲のお腹に硬貨を叩き込んだ。
それによって相打ちのような形になったが先に古菲が手を添えたままガクンと両膝をついて周囲が静かにざわついた。

「決まったな…」
「はい、古の勝利で…」

古菲が負けたと思っていた面々は俺と刹那に振り向いた。
だが俺は二人を見ろと視線を促がす。
瞬間、古菲の添えられた手から浸透頸によって衝撃が伝わり龍宮の背中の布地が盛大に爆ぜた。
そして龍宮は無言でドサッと地面に倒れてしまって動かなくなった。
一瞬の空白は朝倉のアナウンスによって塗り替えられた。

『ダウン!! 龍宮選手ダウンです!! カウントをとります。1……2……』

カウントなど不要だろう? もう見た限り龍宮は動きそうに無い。

『――10!! 古菲選手勝利ーー!! 龍宮選手を下し2回戦に進出です!!』

カウントは終了して古菲の勝利が確定し盛大に周囲が騒ぎ出した。
とうの俺たちも古菲の場所に向かっていた。

「古老師!」
「おお、弟子よ」

古菲は満身創痍でよろめきながらも、しかし格好悪い姿は見せられないという感じで平然そうに皆と向き合って話し合っている。

「スゴイです!! 龍宮さんに勝つなんて」
「いやー、どうアルかな? 何のかんのといって、真名は手加減してくれた気がするヨ」
「え、そうなんですか?」

元気に
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