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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第15話:見抜かれる者
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れが繰り返されるのを見て、山が半分ほどになったところで――――
「ストップ!」
奏の声に、颯人が動きを止める。彼は今手に持っているカードを捨てずに、裏返したままの状態で全員に見せた。
「奏、お前が選んだのはこれでいいんだな?」
「あぁ、いいよ」
「よし。奏は確かにこれを選んだ。そしてこれには、さっき書いた文字が書かれてる。口では何だかんだ言っても、正直な奏の心は自分の罪を認め白状してる筈だ」
「大した自信だね。もしそれで何も書かれてない奴だったらどうする?」
「そん時は奏が思いつく限り一番高いケーキでも何でも奢ってやるよ。ただし書かれてるやつだったらその時は今日一日メイド服姿になってもらうからな」
そう言うと颯人は裏返したままのカードをひっくり返して絵柄を全員に見せた。奏を含め誰もが固唾を飲んで見つめていると、その絵柄が明らかになる。
果たしてそこにあったのは…………『犯人は私です』と書かれたクラブのJだった。
「はぁっ?!」
「あ……」
「あ〜ぁ」
颯人が勝ち誇った顔をする中、奏は驚愕の表情でカードを引っ手繰りそれに何の仕掛けも施されていないのを見ると、捨てられたカードや未だ颯人の手の中にある山をも奪い取り何かタネがないかを確認していく。特にカードが二枚重ねになっていないかを念入りに調べた。と言うのも、過去に似たようなシチュエーションで全く同じようにして罰ゲームをさせられたことがあったのだ。その時のタネは予め全てのカードが二枚重ねになっているというものだったが、今回はそうなってはいないらしい。
「おいおい、買ったばかりの新品を開けたのはお前も見てただろ?」
「ぐっ――――!?」
「さぁて、奏?…………覚悟は良いか?」
タネを見破る事が出来ず、悔しそうに歯噛みする奏の手を取り颯人はドレスアップのウィザードリングを嵌めさせる。咄嗟に翼や弦十郎、響達に助けを求める視線を向けるが、誰もが一様に全てを諦めた顔をしている。
助けはなく、魔法は秒読み段階。事此処に至り、奏は全てを察した。あの時ドーナッツの事を話したのは彼の罠だったのだ。言われなければあんな変な色のドーナッツ、手を出すことはしなかった。颯人がキープしているドーナッツという餌に、奏はまんまと食い付いてしまったのだ。
「チックショォォッ!?」
〈ドレスアップ、プリーズ〉
勝ち誇った颯人の顔を前に、奏は叫び声を上げあえなく魔法を掛けられてしまうのだった。
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