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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第15話:見抜かれる者
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たら、下手すると腰を抜かすかもしれない。早々に用件を聞き出して首を引っ込めてもらわなければ。

 因みにこの奏の判断は時既に遅しであり、既に数人の職員が首無しで廊下に立っている颯人の姿に悲鳴を上げていた。しかもご丁寧に、颯人は首から下をドレスアップの魔法で鎧武者に変えている。これで幽霊を疑わないのは無理があった。

 この一件が原因となり、暫く二課本部内には時折首無しの鎧武者が現れるという噂が流れる事になるのだった。

 閑話休題。

 そんな事など露知らず、奏が問い掛けると颯人は首だけの状態で手短に用件を告げた。

「あぁ、んな大したことじゃないんだけどさ。箱の端にあるカラフルな奴は俺のだから食わないでねって話」
「分かった分かった。分かったからさっさと首引っ込めな。変な噂流れるから」

 繰り返すが、奏の心配は既に手遅れだった。颯人の確信犯的行動により、向こう暫くは変な噂が流れる事が確定している。

「へいへい。んじゃ、また後で」

 半ば追い払われるように首を魔法陣の中に引っ込める颯人を見送った奏。彼の頭が無くなり魔法陣も消え、扉の方を見て誰も入ってこないのを見ると奏は早速了子に近付き彼女が物色しているマスドの箱を横から覗き見る。すると確かに箱の端の方に、矢鱈とカラフルなドーナッツが入っていた。これが颯人の言っていた奴だろう。

 それを見た瞬間、奏は一切躊躇せずそれを掴むと口に運んだ。奏の行動を見て真っ先に弦十郎が慌てて口を開く。

「おいおい、奏ッ!? それは今さっき颯人君が食べるなと言っていた奴じゃないのかッ!?」

 非難混じりに弦十郎が言うと、奏はあっけらかんとした様子でドーナッツを平らげながら答えた。

「いいのいいの。こちとらしょっちゅう揶揄われてんだから。こう言うところで仕返ししとかないと」
「因みにこの事を颯人君には――?」
「言う訳ないっしょ? 颯人には盛大に困ってもらうんだから」

 口の端に着いたチョコを舐めとりながら、奏はニヤリと笑みを浮かべる。悪戯っ子の様なその笑みに、司令室の者は全員が同じことを思った。

 似た者同士…………と。




***




 それから時が経ち、学業を終えた翼に遅れ響も本部へとやって来た。
 彼女達に加えて、既に本部で控えていた颯人と奏も交えミーティングが行われた。

 その内容は、この二課本部の地下深くに保管されているデュランダルと言う聖遺物――それも保存状態が良好な所謂『完全聖遺物』と呼ばれる物――に関するものであった。
 要約すれば、それが敵に狙われており、ここ最近頻発するノイズの発生はデュランダルを狙ったものである可能性が高いというのである。

 弦十郎達はそれに加えて、デュランダルを巡って
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