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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-2 マリアのロケット
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から返してもらった金のロケットペンダントを、カンナに見られないように開く。開かれたそのペンダントには、サングラスをかけた男性の顔が映されていた。
理想が高い…否定はできなかった。マリアの中では、『隊長』という呼び方は『特別』な意味も含まれていたのだ。
「…あなたはどう思うの?」
ペンダントをしまうと、マリアはカンナに質問を返してみる。
「あたいは気に入ったぜ。一生懸命って感じでさ。あのジンってやつのこともな」
「ジン?」
「聞くところ、米田支配人の養子だろ?女が好きそうな割に、嫁さんとかの話とか全くなかった支配人にだぜ?一番驚いたよ」
「ええ、私もよ。それは驚いてる」
ジンの存在については同感だ。驚かないわけがない。出会い方もかなり特殊だ。帝劇の地下の立ち入り禁止エリアの医療ポットの中に眠っていたところをアイリスとすみれが見つけた。まるで、恐れ我古代遺跡に封じられた、人の姿をした謎の存在との邂逅だ。
「あのジンってやつ。不思議な奴だよ。組手してわかった」
「不思議?」
目を丸くするマリア。
「あいつ格闘技の心得があるみたいなんだよ。隊長さんよりも慣れてるみたいだったなあ。隊長さんに続いてあいつとも組手をしたんだけどさ…実を言うと、一瞬ビビったんだ」
「あなたが?」
「あぁ、対峙して構えを取ったあいつを見た途端にブルっちまった。あたいは熊とかが相手でものしていけるって自信はあるけどよ、あいつは違う」
熊を相手に素手で立ち向かうというカンナも、沖縄から帝都まで海を泳いで渡ったことも含めたいがい常識外れだとは思うが…とは突っ込まない。マリアはそのままカンナの話に耳を傾けた。
「そんなのが生易しく思えるような、とんでもねぇ怪物を相手にしたような……」
組手の時に、ジンと向かい合ったときのことを思い出したのか、既に風呂上がりの髪は乾ききっていたのに、カンナのこめかみからタラリと一筋の汗が流れ落ちた。
「あいつ養子ってことは、米田支配人の本当の子供じゃないんだろ?支配人に引き取られる前は、どんな奴だったんだろうな」
「…今も昔も、わからないわね。彼には、過去の記憶がないそうだから」
「記憶がない?記憶喪失ってやつか!?マジでそんなのがあるんだな…」
カンナにとっても、記憶喪失というものはさすがに予想外だったようだ。
「けど、記憶がないってのに、あそこまであたいと渡り合えるなんて、何者だろうな」
カンナの話を聞いて、マリアもジンに対する謎をより一層感じ取るようになった。カンナさえも唸らせる格闘術。幼い頃から空手の修行を続けていた、空手の達人であるカンナにそこまで言わしめる。マリアは、カンナがジンに対してそこまでの評価を下したことに、表情に強く出さなかったが驚いていた。
「……」
だがそれ以上に、それ以外についてジンに対して
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