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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-2 マリアのロケット
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だよ!」
「…まぁ、私は最初から心配などしてませんわ。あの人は殺しても死なない人ですから」
腕を組んでどうも思わないぞアピールをするすみれだったが、ふふーん、とアイリスがすみれの顔をニヤニヤしながら見上げた。
「そんなこと言って、すみれが一番心配してたもんね?」
「ぶ!?な、なにを言うのかしらこのガキャ…」
口が悪くなってる…いいとこのお嬢さんらしさが一瞬だけだが台無しになった。
「だって、カンナが帝劇を出る時、最後にお見送りしてたのすみれだよね?」
「へぇ…」
さらに生意気に追い詰めてくるアイリスの話を聞いて、ジンも彼女の態度に影響されるように、ニヤニヤと笑みを浮かべながらちらっと、すみれを見る。
「ち、違いますのよジンさん!!私はあくまで、カンナさんが暴れまわって周りの方に迷惑が掛からないのか様子を見に行こうとしていただけで…それだけですからね!他意はないのですのよ!?」
慌てて全否定するすみれだが、赤くなった顔のせいで全く動揺を隠しきれていない。なんだかんだで、仲間思いなすみれだったようだ。
「…あら?」
すると、すみれの目にある人影が飛び込む。
すらっとした長身と金髪に、赤い春物のシャツを着た女性。マリアだ。
「……確か、ここに」
マリアは、さっきからサロン近くの2階廊下を歩き回っていた。何かを探し回っていたようで、床をキョロキョロと見渡している。
「マリアさん、何かお探し物かしら?」
声を掛けられ、マリアはすみれ、ジン、アイリスの方を振り返る。
「あなたたち…」
「良ければ手伝おうか?」
困っているなら手を差し伸べないと。そう思ってジンは気づかいの言葉をかけるが、マリアは首を横に振った。
「あぁ、いえ。大丈夫よ。なんでもないから」
「…マリア、嘘ついてる」
だがアイリスから、それが嘘だと見抜かれた。マリアは彼女が心を読めることを思い出し、薄い作り笑いを浮かべてきた。
「…ごめんなさい。アイリス。あまり話したくないことなの。許してね」
マリアはそう言ってサロンを後にした。
「なんだったのでしょう?」
「さあ…」
「マリア…」
すみれとジンは顔を見合わせて首をかしげている間、アイリスはマリアが立ち去った方のサロンの入り口を心配そうに見つめていた。



なんでもない、とは口にしたが、やはりアイリスの読み通り、マリアはその後も床をキョロキョロと見渡していた。何かを落として探し回っているのは想像にたやすい。すると、階段の方から大神が上がってきた。
「ん?マリアか。どうしたんだい?そんなにウロウロして」
「し、少尉…いえ、なんでもありません」
名前を呼ばれて振り返り、探し物を探すのに集中するあまり大神の顔を見て少し驚いたような反応を見せたが、すぐにいつものクールな表情を保った。
ポーカ
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