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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-2 マリアのロケット
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ねぇか」
笑みが不敵なものになり、じっと構えながらジンを見据えるカンナ。ジンもカンナに合わせて構えを取る。空手の経験はあるかどうかもわからないが、とりあえず巨人に変身しているときと同じ、自分なりの構えの姿勢をとった。
「んじゃ…いくぜ!!」
カンナの掛け声をゴングに、ジンと彼女の組み手が始まった。
「ふぅ…疲れた」
ジンは二階サロンのソファに寝転がって深呼吸をした。カンナとも組手だが、自分でも予想以上に熱が入りすぎた。カンナを一体の降魔…魔獣のように捉えながら臨戦態勢で挑んだが、さすがは空手の達人。大神との組手を傍らで見ていたとはいえ、やはり実際に拳を交えることでどれほどの相手なのかを本当の意味で知ることができた。
疲れた後のソファは心地よい。このまままどろんでしまいそうだ。
「ジンさん、シャワーを浴びてから休んでくださらない?あなたの汗がソファに染み付きますわ」
ちょうどやってきたすみれが、ジンを見下ろしながら言う。
「あぁ、すみれさんにアイリスか…大丈夫、この後風呂に入るから」
ジンはゆっくりと体を起こす。その時アイリスもすみれにくっついて来ていたことに気づく。
「その様子だと、カンナさんと組手をなさっていたのかしら?」
「まぁね。いやはや、我ながら熱が入りすぎたよ」
「すごかったね、お兄ちゃんとジンって!カンナ、すごく強いのに!」
笑いながら言うジンに、アイリスは目をキラキラさせている。遠目で、中庭でのジンたちの組手を見ていたようだ。カンナの空手の腕前については自分よりも知っているからこそ、強く関心を寄せている。
すみれは呆れたようにため息を漏らした。
「全く、久しぶりに戻ってきたと持ったら本当に相変わらずでしたね。新人とはいえ、あなたと少尉の二人を連続で組手に誘うなんて。脳みそが筋肉なのか…」
すみれは呆れたようにため息を漏らした。すげぇ言いようだな、とジンは苦笑いを浮かべた。全く棘を隠していない。しばらく会っていなかった者同士だが、そこまで言えるほどに気を許しあっているのだろう。
「そういや、なんでカンナさんは帝劇を離れてたんだ?」
ふと疑問に思ったことを口にすると、少し沈んだ顔でアイリスがその理由を話した。
「…実はね、カンナのパパがね、悪い人に殺されたって…」
「なんだって!?」
「ええ、空手の師範代だったお父様の仇を討つために一時的に花組を抜けたのですわ」
思わぬシリアスなカミングアウトにジンは驚いた。
「お父さんの仇、か…」
初めて顔を合わせたとき、カンナはまるで太陽のように常に明るくいるような人だと思ったが、存外影が差すこともあったようだ。いや、そういう人間だからか…一度大事なものを奪われ、怒りと絶望を強く持つのだろう。
「でも無事に戻ってきてよかった。やっぱりカンナは強い人
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