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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-2 マリアのロケット
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いえ、一日の全てを空手に注ぐような相手では、通りで敵わないわけだと大神は納得した。
「けど、そんな時なんだ。あやめさんがあたいをスカウトしたんだ」
「あやめさんに?」
「あやめ?」
大神がきょとんとしている。そういえば、今あやめは次の花組メンバーの確保のために花やしき支部の方へ出張していた。だから大神とはまだ面識がない。てっきりすでに顔合わせくらいは済ませているのかと思っていた。
「藤枝あやめさん。帝国華撃団の副指令さんですよ」
「へぇ、名前からすると、副指令も女性なのか」
戦場での戦いは男がするもの。軍人というものは本来そういう考えが染み付いている。米田は知ってのとおり男性だが、それでも軍属に女性がいるというのは大神からすると意外に捉えられることだ。そして降魔や怪蒸気との戦い以外では、その役目を担う女性たちが普段は女優だなんて、今思い返しても意外過ぎることだろう。
それはカンナもまた同様だった。
「考えもしなかったよ。空手一筋のあたいが、舞台女優に名手大勢の人たちを笑顔にして幸せにする…あやめさんがいなかったら、この喜びを知ることもなかったんだろうな。はは、人生ってわかんないもんだぜ」
カンナは空を見上げながらそう言った。空手以外の道も進んだことについては何も不満はない。むしろこの道もいったことで、彼女の見ている世界がさらに広がったことに、カンナは満足していることが伺える。
「久しぶりの帝劇はどうだい?」
今度は大神が質問してくる。
「あんたらを含め新人が一気に増えたからな。ちょっと景色が変わって見えたよ。
そうそう、あたいだけじゃないんだ。マリアやアイリスも、あやめさんが世界中から探し回って探し出してきたんだ」
「世界中を回ってまで!?そこまでやってたんだ…」
「すげえもんだよな。言ってみりゃ、あやめさんは花組の生みの親、お袋みたいなもんってわけだ」
あやめは世界を股に駆ける旅をしてまで、現在の花組メンバーをそろえてきたのか。ジンはあやめの世界さえもものともしない行動力に感服した。すると、カンナは汗をぬぐって立ち上がった。
「っと、そろそろ休憩終わりにしないとな。隊長は休んでなよ。今度はジンとやってみたいからさ」
「待ちくたびれました。そろそろ僕も体を動かしたかったよ」
ジンもカンナに誘われ、重くなった腰を上げて背伸びをする。
「へへ、やる気にあふれてるじゃねぇか。気に入ったぜ、ジン」
組み手に乗り気なジンを心地よく感じ、カンナもやる気のある笑みを浮かべ、軽めの体操をした後、大神から少し離れた場所まで距離を置き、ジンも彼女の正面に立って対峙した。
「いっとくけど、あたいが女だからって手加減はナシだからな?」
「手を抜いて勝てる相手じゃないのは、さっきの大神さんとの組み手を見てましたから」
「わかってるじゃ
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