暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep18過労死って言葉を知っているか?〜to recieve training〜
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備えての救急隊が待機状態だった。

「隊長!」

「状況は?」

現場には武装隊の制式バリアジャケットを着用している局員3人が、一尉と俺の元に集まった。彼らが第1分隊員のようだ。そんな3人に一尉が俺のことを紹介し、俺も名前だけの自己紹介をした。

「銀行強盗。目的は金か?」

「場所は銀行ですが、目的はそうではないようです。店内の防犯カメラが破壊される前に容疑者たちを確認できました。広域指名手配を受けているウッチェッロ・ミグラトーレファミリアの構成員が1名、あとは前科者が4名の計5名です」

「あの渡り鳥か。管理外世界を拠点にしている連中が、管理世界、しかもミッド首都(クラナガン)で堂々と立てこもり。珍しいを通り越して異常だな」

「はい。それで、人質は職員と客を合わせて13名。強盗犯はデバイスと質量兵器で武装している模様です。すでにカメラで店内を確認できないので、今の状況がどうなっているか判りません」

一尉たちの話を聞きながら、俺は銀行強盗という犯罪にちょっとしたガッカリ感を覚えていた。魔法文明が発達した管理世界に、銀行強盗とか前時代的な犯罪が起こるとは思いたくなかったのかもしれない。発生しても魔法技術でこんな大事にならないものだと・・・。まぁ俺個人のつまらない期待だったわけだ。

「連中の要求は?」

「お決まりのものですよ。人質の安全と引き換えに、自分たちが逃げるための車両と時間を用意しろ、です」

「そして、こちらが本命でしょうが、以前逮捕されたウッチェッロ・ミグラトーレファミリアの構成員の釈放です」

「狙撃しようにもシャッターが閉められてしまっていることで出来ませんし」

「店内の様子だけでも確認できれば、突入できるんですが」

交渉人(ネゴシエーター)の方に説得してもらっていますが、連中は聞く耳を持ちません」

「30分ごとに人質を殺すとも言っています。その20分まであと5分もありません」

「急がなければ」

あくまで研修の身である俺は口を出さずに黙って銀行を見つめる。だが、解決策が見つからず、その間にマスコミや野次馬などが現場に現れ始めた。これで店内の立てこもり犯に、外の様子が見られてしまう可能性が増えたわけだ。店内にもテレビモニターくらいはあるだろうしな。生放送が放送されているはずだ。

「せめて店内の様子だけでも判ればいいんだが・・・」

「一尉。自分の魔法の中にサーチャーがあります。ステルス性能もあるので気付かれずに店内に潜入できるかと・・・」

これ以上の時間の浪費は出来ないと判断して、俺からそう提案する。一尉たちの視線が俺に集まる。一尉は即「判った、頼む」と言ってくれた。候補生だから口出しするなとかの文句より先に、そう判断してくれたのは助かる。
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