30 夏のプール授業
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子と杉山だった。
七夕が近くなった為、どこのクラスの教室にも笹が飾られるようになった。
「かよちゃんも短冊に何か書こうよ」
たまえが提案した。
「え?う、うん、そうだね・・・」
しかし、かよ子は何をお願いすればいいのか悩んだ。「杉山君と結婚できますように」と考えたが、恥ずかしい。「おっちょこちょいを治せますように」でも現実的だが、どこかもったいない気がした。
「あらあ、山田さあん、何書くか迷ってるよお?」
冬田が現れた。
「う、うん・・・」
「正直な事書いた方がいいと思うわよお〜」
「冬田さんはなんて書いたの?」
「もちろんこれよお」
冬田が持っている短冊には「大野君と両想いになれますように」と書いてあった。たった今恥ずかしく思ったように自分には恋愛の願い事など書けない。流石乙女チックな冬田らしいとかよ子は思った。
(私は・・・)
かよ子は思い切って書いた。「清水の平和が守れますように」と。どこかの特撮ヒーローみたいな願い事かもしれないが今考えられる最も切実な願いはこれだ。
(また、この清水を襲う人が来るかもしれないからね・・・!!)
「へえ、かよちゃんの願い事、とってもかっこいいね!」
たまえが褒めた。
「たまちゃん、あ、ありがとう・・・」
三河口は居候中の家へと帰宅した。
「只今帰りました」
「ああ、健ちゃん。いいところに」
「え?何かあるんですか?」
「ああ、たった今、名古屋にいるさりから電話があってね」
「さりちゃんから?」
さりというのは羽柴家の三女・さりの事で、つまり三河口の従姉である。
「今度帰ってくるって」
「そうですか・・・」
三河口は従姉との再会がなぜか楽しみになった。彼が中学生になると共にこの家に来た時はさりだけは独立した他の二人の姉と異なりまだ家におり、なんだかんだで仲良くしてもらえたからだろうか。
(今どうしてんだろ?専門学校出てからは遊んでるとか言うけど・・・)
三河口は従姉の近況が気になった。
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