050話 幕間2 従者達の修行(後編)
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きていて夕凪と『迦具土』で複数炎の短剣を作り出してそれらをなんとかいなす。
だが一度弾いても神速の突きのスピードは遅くなるどころかさらにキレが増してきている。
これが本当の殺し合いだったなら刹那はすでに二桁以上の数は殺されているだろう。
(やはり、すごい…! 記憶で見たランサーさんは令呪で全力が出せないでいたとしても、それでもその攻撃一つ一つがまさに神速だった! それに今は命令といえばイリヤさんの殺さないようにとのことだがとんでもない…。これだけでも一歩間違えば死はすぐに訪れる)
「考え事もいいが戦闘中にそんなことしていたら…、死ぬぜ?」
「ッ!?」
刹那はその言葉に思わず戦慄を覚えた。
これは自身では絶対に勝てない相手だと警報が頭の中で鳴り響いている。
鍛錬というがこれは、はたから見れば素人目には十分に殺し合いに見えるだろう。
ただ殺さず、且つ逃がさず…そう、まさに猟犬のようだと刹那は思い、そしてランサーの言葉と同時に脳天に落とされた棒であっという間に意識を刈り取られた。
暗転する意識の中、まだまだ精進が足りないと…そう心に刻み付けた。
…そんなやり取りが残りの四日間も繰り返された。
エヴァは期日の七日後だということでイリヤや木乃香を連れて耐寒魔法を展開しながら二人を探した。
そして木乃香は刹那とランサーを見つけた途端、思わず目を疑った。
今の刹那の姿は普段着なのだが所々がボロボロで赤く染まっている部分も見え隠れしている。
一見してみれば満身創痍と見えるだろう。だが、刹那はすでにある意味で限界を越えていた。
魔力供給が少なく本気が出せないでいるランサー(普段の十分の一)に刹那は自ら向かっていき剣戟をぶつけにいっているからだ。
そして最大の一撃、
「神鳴流奥義―――……斬岩剣!!」
刹那の咆哮とも取れる雄叫びがランサーの今のエモノである棒を真っ二つに切り裂いたのだ。
それにランサーは驚きの表情をしたがすぐにニヤッと笑みを浮かべ、
「やるじゃねぇか、刹那の嬢ちゃん。まさか士郎が強化に強化をふんだんにかけまくったこのダイヤモンド級の棒を切り裂くとはよ」
「いえ、まだまだです。ですがランサーさんから、やっと一本取る事ができました…」
「ま、俺の方は魔力供給がほぼねぇからそれほど本気も出せなかったが…それでもお前は十分成長したと思うぜ?」
「ありがとう、ございます…」
その一言とともに刹那は地面に倒れた。
それをじっと見ていた木乃香は決着が着いたと思ったと同時にすぐに刹那のもとへと駆け出した。
「せっちゃん! 今ウチがすぐに治してあげるえ!
プラクテ・ビギ・ナル。汝が為にユピテル王の恩寵あれ。――治癒」
携帯杖を取り出して回復の呪文を木乃
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