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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
049話 幕間1 従者達の修行(前編)
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足枷もいいところだ!! 人質にされるか殺されるかが目に見えているぞ!!」




エヴァの咆哮ともとれる凄まじい叫びに、だが木乃香と刹那は一切臆せずして、

「できます! その為にも今は少しでも強くなりたいと私は感じています! そして士郎さんだけではなくイリヤさん、お嬢様も守れるような立派な従者に!」
「ウチもや! 今は碌に魔法も使えへんけど、…ううん。たとえ魔法が使えなくとも心の支えになってあげたいんや!」
「……………、その言葉に二言はないか!?」
「「はい(な)!」」

なおも続くと思われたエヴァの怒声はしだいに薄れていき、最後の二人の返事に完全に怒りは霧散した。
そして変わりに湧き上がった感情は『面白い!』の一言であった。

「ふっ…では貴様等二人は士郎が進むと決めた道にありえんとは思うがネギの坊や達が立ち塞がったらどうするのだ?」
「…殺しはしません。ですがもし立ち塞がったなら説得…最悪は押し通らせていただきます」
「アスナ達と戦うのは気が引けるんやけど、もうウチ等は士郎さんに着いて行く気持ちに心変わりはあらへん」

二人の言葉に一瞬エヴァは唖然としたがとうとう耐え切れなくなり大笑いを上げだした。

「はっはっはっはっ! 実に愉快だ! ならば貴様等二人は状況によっては悪にも正義にもなるというのだな!?」
「極論ですが確かにそうなりますね? できればアスナさん達とは争いたくは無いのが本心ですが…」
「いや、貴様等にはそのくらいがちょうどいいだろう。クックック…。
それと最後に一つ教えておく。士郎の過去を見たお前達ならもう理解していると思うが自身の心に正義、あるいは譲れないものがあるとしても、それは相手とて同じことだ。
ならば時には正義ではなく悪になることも考えておけ。後の歴史でどう評価されようと自身の信じた道を突き進んだならそれが真実なのだからな」
「お! なかなかうまいこというじゃねーか? その物言い、なかなか気に入ったぜ!」
「…ああ、そういえば貴様は今言ったいい例だったな。やはり歴史は奥深いものだな…」

ランサーは機嫌がいいのか大笑いをし、エヴァも案外すっきりしたのか微笑を浮かべている。
イリヤも話が落ち着いたのが分かったらしくうんうんと頷いている。
そこでエヴァは二人に声をかけた。

「おい、近衛木乃香…それに桜咲刹那」
「なに? エヴァちゃん?」
「なんでしょうか、エヴァンジェリンさん?」
「別荘にお前達二人の部屋を用意してやる」
「「…はい?」」
「最初は近衛詠春の頼みで少しは鍛えてやろうと思っていたが気分が変わった。刹那はともかく木乃香、貴様はネギの坊や以上に魔法の修行を手伝ってやろう。
分からんところは姉弟子であるイリヤにでも聞け。イリヤの部屋もここには用
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