041話 悪魔襲来(後編)
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出た途端、背中に冷や汗が流れ出した。
まさか…もう遠坂は!
「まさか言峰…遠坂を洗脳したわけではあるまいな!?」
「ほう…中々の殺気だ。あれから五、六年はたったがこれほどまでにあの落ちこぼれが成長していたとは…」
「余計なお世話だ! それより俺は今遠坂に何かしたのかを聞いているのだ!」
もし、殺していたのならば俺は迷わず奴をもう一度殺す。その意を込めながら言峰を睨みつけた。
だが言峰は余裕の顔をしながら、
「いや、私は凛を殺したつもりはない…さすがに今の凛相手には分が悪かろうからな。
だが凛は面白いことを起こしてくれた。どうやらお前達をこの世界に送った後にまだ宝石剣の魔力の残留があり時空が不安定なまま放置されていたのだ」
「「………」」
思わず俺と姉さんはこんな時だというのにずっこけそうになった。
…まさか、遠坂のうっかりという呪いはそんなことまで起こしていたとは。
「それであの世界も飽きていた私は平行世界に興味を持ちその歪んだ時空に飛び込んだ。
お前達は凛にパスを繋いでもらい今の状態のままを保っているが、
私は不正に侵入したものでな、世界からの修正を受けてしまった。だがそれは嬉しい誤算だった。
血を飲まなければ行き続けられない死徒から、まさか悪魔に姿を書き換えられるとは思っても見なかった」
「そうして今私達の前にあなたはいるわけね。コトミネ」
「その通りだとも。聖杯の少女よ」
姉さんは言峰の皮肉の入った言い方に眉を吊り上げた。
これはもうデンジャーな領域だな。
「そして、もう一人お前達にとっては懐かしい人物がいる。さぁ、こい。“ランサー”!」
「なに!?」
「ランサーですって!?」
俺たちが驚いている間にも言峰の後ろからあの懐かしい赤い魔槍を持ち青い軽装の格好をしたランサーが現れた。
だが、ランサーのその目はどこか虚ろであの飄々とした態度や覇気、生気は感じられなかった。
そう、まるで強制的に使役されて感情も封印されているような、そんな感じだ。
「さぁ。ランサー。お前の願いはなんだ?」
「…俺の、願いは……強い奴と……」
「そうだ。お前は強い奴と戦いたいがために召喚された。
そして今お前の目の前には格好の標的がいる…」
悪魔の囁き…
まさにそう取らざる得ないことを言峰はランサーに向かっていっている。
それに見た限り少し自我が残されているようだがその姿はとても痛々しかった。
あのランサーをここまで…
「言峰…! ランサーに何をした? ランサーは座に戻ったのではないのか!?」
「この世にとどめさせたのだよ。実を言うと私もランサーはギルガメッシュが止めをさしたものだと思っていたのだが…
ランサーは聖杯戦争が終わった後に死徒と化した私の前に突如として傷
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