第二百八話
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第二百八話 表情
華奈子は美奈子を見てそうして言った、お風呂場のあったプールを出た時に。
「あたしと美奈子って表情違うの」
「そうよ、これがね」
「自覚なかったけれど」
「笑顔でもね」
これでもというのだ。
「華奈子は明るくてお日様みたいなのよ」
「そんなに明るいの」
「そうよ、それで私はね」
美奈子は自分の笑顔のことも話した。
「落ち着いてお月様みたいな」
「そんな風なの」
「そうなの、アルバム観てたらね」
「そこで二人の笑顔を見ていたら」
「違っていたの」
「そうだったのね」
華奈子は言われて目を丸くさせて述べた。
「あたし自覚なかったわ」
「アルバム観てもだったの」
「ちょっとね、じゃあ他の表情も」
喜怒哀楽のそれからだ、華奈子は話した。
「違うのね」
「ええ、二人でね」
「そうだったのね」
「この前気付いたの」
こう華奈子に話した。
「私達双子でも表情が違うって」
「そうなのね」
「それでわかるわよ」
「あたし達がどっちかって」
「服の色以外でもね」
「それで髪型以外でもなのね」
「わかるから」
それでというのだ。
「華奈子も髪の毛伸ばしてもね」
「いいのね」
「見分けがつくから」
「成程ね、けれどね」
「今のところはなのね」
「あたしとしてはね」
華奈子は自分の考えを美奈子に一緒に歩きながら話した。
「別にね」
「このままでいいのね」
「そう思うから」
だからだというのだ。
「折角だけれど」
「そうなのね、まあ考えてみてね」
「まあね、けれどね」
今のところはその考えはない、そうした返事だった。
華奈子はそうした返事をしつつ美奈子と一緒に家に帰っていった、そして家で二人の母のことを聞くことにした。
第二百八話 完
2019・11・1
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