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ヘタリア大帝国
TURN29 開戦前夜その七
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の最大の敵は共有主義だから」
 クーもここで言う。
「日本とは戦いになってもそれでも」
「完全に叩くことはしないわ」
 ハンナは頭の中でこれからの戦略を描いていた。ガメリカの戦略を。
「まあ日本が余力を残した状況で降伏させてね」
「それでそのうえで」
「ソビエトとの最前線を受け持ってもらうわ」
 ハンナはクーにも述べた。
「そしてその間に私達は」
「独立した東南アジアやオセアニアの連中も入れてだね」
「ええ。中帝国と組んで太平洋経済圏を作るわ」
 ハンナはまたアメリカ妹に話した。
「そういうことでいいわね」
「いいよ。まあ日本には恨みはないけれどね」
「あたしはあるけれどね」
 キャロルはむっとした顔でアメリカ妹にこう言った。
「あの東郷にはね」
「そうね。お陰でね」
 ハンナもキャロルの今の言葉には微妙な顔になる。
 そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「あの人がいなくなったから」
「そうよ。あの長官には思い知らせてやるんだからな」
 キャロルはいささか子供じみた感じになっていた。
「本当にね。どうしてやろうかしら」
「まあ引っぱたく位でいいんじゃない?」
 アメリカ妹はそんなキャロルの横に来てだった。

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