039話 記憶を見た皆の反応
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ネギ先生といえばどうして他の皆さんには士郎さんとイリヤさんの記憶を見せないのですか?」
「それはやはり二人が俺の従者というのも大きいが、なによりまだネギ君やアスナ達は人の死というものに慣れていないだろう。だからこの点では二人にも見せるのはあまりお勧め出来なかった。そして自身の正義を純粋に今は駆けているから俺の記憶はどちらかといえばマイナス要素になってしまう…」
「そうだな。あいつらはまだただのガキに過ぎん。
過去の士郎のように自身が正義の行いだと信じていても、相手にも同じように自身の正義が存在する…
お互いの正義は同時に悪だと判断してしまうほど愚かなものはない。ぼーやはそれを無知とも言えるほどに知らない…
だからいっそ、ぼーやにも士郎の記憶を見せて現実をわからせてやりたいものだ」
エヴァの言葉に俺は微妙な表情を作ることしかできないでいた。
しばらくして話も終わったので俺は「もう疲れただろうから寝たほうがいい」と伝えてもう一度鍛冶場へと向かった。
姉さんもなぜかついてきてくれるようなので、まぁいいかと納得した。
◆◇―――――――――◇◆
Side エヴァンジェリン・A・K・マクダゥエル
「…さて、士郎達はもういなくなった。お前達…もう我慢する必要はないぞ?」
…頃合だと思い私は二人にそんな言葉をかけた。我ながら似合わない役どころだなと思った。
そして近衛木乃香と桜咲刹那は両膝をついて無言で涙を流しながら体を震わせ口を両手で押さえていた。
だから茶々丸に二人を任せた。
…当然だ。この私ですら士郎とイリヤの過去には畏怖の念を感じざる得なかった。
すべてを見た今だからこそ士郎がぼーやの過去に一瞬でも嫉妬や渇望してしまったのか気持ちはわかる。
士郎の破綻の原因である大火災という名の悲劇…
伽藍洞となった心にすっぽりと納まった正義の味方という呪いじみた理想。
自身の命を勘定に入れていなかった士郎の歪んだ生き方…
非情な魔術の世界…
第五次聖杯戦争で現れた様々な英霊とそのマスターとの戦い…
地下でギルガメッシュの魔力の餌として死ぬことも許されず生かされ続けていた子供達…
そして言峰綺礼の狂った思考…
とくにまがい物の聖杯の中身…士郎が何度も飲み込まれた『この世・全ての悪』の世界はまさに地獄…そう捉えてもおかしくない場所。
記憶越しでも肌にまで纏わりついてきたのだからこの二人にはたまったものではなかっただろう。発狂しなかっただけ褒めてやりたいところだ。
そして、士郎の未来の可能性の姿…英霊エミヤ。推測するにあれはおそらく他の平行世界でイリヤすらも失って一人で最後まで駆けぬけてしまった士郎の果ての姿なのだろう。
イリヤは詠唱内容と心象世界は英霊エミヤと
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