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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
037話 別荘での修行とネギの過去
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地面から生えてくるように飛び出しエヴァを今度は完全に拘束した。

「な、なんだこれは!?」
「北欧神話に登場する魔狼フェンリルを束縛した強靭な鎖だ。さすがのエヴァも抜け出すのは不可能ではないか?」
「ぐっ…確かにそれでは無理だな」




そんな俺とエヴァのやり取りを見ていた面々は、

「士郎さんって、いくつほど宝具を持っているんですかイリヤさん…?」
「わからないわ。私だって最初からシロウのことを全部知っていた訳じゃないし…でもただの武具とかも入れたら千はゆうに越えているんじゃない?」
「千もアルか!?」
「だって私ももう把握できていないから」
「士郎さんって…」



「………」
「くくくっ…なにやら人外扱いされてきたな士郎?」
「射抜くぞ?」

あまり冗談でもない殺気をこめてエヴァを睨みつけたがどこ吹く風とばかりにエヴァは余裕の笑みを浮かべていた。
だがそこでエヴァは表情を変えてなにやら意味深な発言をしてきた。

「…なぁ士郎? お前が、裏の世界に入った切っ掛けとはなんだったのだ? よもや断片的ではあるが聞いたお前達の元の世界で最初からそのような理想を掲げていたわけではあるまい?」
「確かにそうだったが…、切っ掛けか…そうだな。今思うと俺は最初…といっても二度目の生からすでに裏の世界に入っていたのだろうな?」
「二度目の生…? お前は私と違い人間だろう? なのに二度目というのはおかしくはないか?」
「ああ、確かに言い方はおかしいが…表現としてはそれが一番しっくりと来るんだ。以前に俺は養子だという話はしただろう?」
「そうだったか?」
「ああ………」
「ん? どうした。いきなり言葉を止めて…」
「いや、この話は今は止めよう。話すと長くなるからな。それにまだ皆が起きている間は過去に思いを馳せるなんて恥ずかしい事はしたくない」
「…どうやら後ろめたい話のようだな」
「簡潔にいえばそうかもしれない。姉さんも今ではああして元気に人生を送っているが裏の世界の犠牲者の一人でもある」
「イリヤもか? 一体お前達の間でなにがあったのだ?」
「………」

俺はそこで言葉を止めた。このままでは本当に過去の話を語りそうになってしまうから。
だがそこで騒いでいる一同の枠から姉さんだけがやってきていた。
どうやら会話はラインで筒抜けだったらしく先ほどまでの明るい顔は影を潜めていた。
そして、

「なんでも願いが叶うといわれる道具の奪い合い…つまり戦争をしていた。ただそれだけよ、エヴァ」
「姉さん…」
「ほう…なんでもとは。その後の戦争というのも興味をそそられるな」
「あまり面白い物ではないわ。特にシロウにとっては……お話はこれでおしまい。過去は過去、今は今よ。これ以上はあまりお話したくな
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