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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
036話 衛宮士郎の久々の休日(?)
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だ」
「私達専用だと? それは前にお前が指に挟んでいた黒鍵のことか?」
「それもある、が…もう一つ強力なものがある。なぁエヴァ。ここで一つ質問だがゴルゴン三姉妹の逸話は知っているか?」
「ゴルゴンというと有名な話ならメドゥーサのことか? それが―――……まさか士郎。お前はあれまで投影できるとか言うのではないよな?」
「アレというとやはりアレのことかの…?」
「そう。アレですよ――投影開始(トレース・オン)

投影を開始して手に顕現させたものを見て二人は開いた口が塞がらないでいた。
そう、今俺の手には多様な宝具を使用した英雄『ペルセウス』が不死であるメドゥーサを退治した不死殺しの概念を持つ『ハルペー』が握られている。

「よせ! 私にそれを見せるな!? なぜかは知らんがそれを見ているだけで怖気が走る!!」
「むぅ…これほどとは! 凄すぎじゃぞ!!」
「ま、所詮は贋作だ…だからせいぜい斬られたら当分治癒魔法も受け付けず傷が残る程度かと」
「それだけでも末恐ろしいわ!いいからそれを早く消さんか!?」

さすがのエヴァもハルペーから伝わってくる魔力に寒そうな感じで体を震わせていた。
だから俺もさっさと魔力に返した。

「…ふぅ、しかし士郎君が味方で本当によかったと今は心底思っておるよ」
「同感だな。まさか私をも滅ぼせる宝具を持っていたとは…」
「そこは安心していいぞ。俺は私欲でこんなものを使う気はさらさらないからな」
「それは安心じゃな。む、そうじゃった。作る場所が確保できたのならちょうどよい。この用紙に書かれている分をもしよかったら頼みたいんじゃが…」

学園長から一枚の紙を受け取るとそれにはセットで同じものを何本とか色々記入されていて材料や資材もすぐに送ってくれるそうだ。
内容を確認しているとふと腕に痛みを感じたのでその方へ向くとエヴァが俺の腕を噛んでいた。
………なんでさ!?

「おい、エヴァ! 了解くらいはしろ!」
「うるさい! 私にあんな不吉なものを見せたお前が悪いのだから今回は別荘を提供する前金として十分堪能させてもらうぞ!」
「うおおおおっ!? なぜか凄い勢いで吸われている!? が、学園長―――ッ!!」
「すまん…」

即効で見捨てられた!?
それでまたしても糸で縛られ抵抗もできず俺はかなりの量を吸われて、代わりにエヴァは十分堪能したのか肌が艶々になっていた…。

「ふむ、やはりこれは美味だな。今後も頼むぞ、士郎」
「限度を、知れ!」

俺はヘロヘロになりながらも放った拳はたやすく交わされた。
わかってはいたがそれでもやらなければ気がすまないものがある。
だが血と一緒に魔力まで吸いやがったエヴァに俺は対抗する手段も思いつかないのでしかたなくあきらめた。
いずれは…! 
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