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ヘタリア大帝国
TURN29 開戦前夜その六
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れる役かよ」
 フランスはうんざりとした顔になりパルコ族の面々に言い返した。
「ったくよ。損な役回りだよな」
「そうならない為には勝つことだね」
 ビルメは今の自分の祖国にも何の容赦もなかった。
「いいね。勝つんだよ」
「ああ。じゃあ協力してくれな」
「できるだけのことはするよ。それじゃあね」
 こうした話をする一行だった。そして。
 話が一段落したところでだ。シャルロットがまた言ってきたのだった。
「ところで今夜ですけれど」
「今夜?」
「今夜っていうと?」
「はい。皆さんで舞踏会なぞはどうでしょうか」
 無邪気な感じでだ。フランスとパルコ族の面々にこう提案したのである。
「お互いの親睦を深める為にも」
「舞踏会だって?」
 シャルロットの今の言葉にはだった。ビルメも少しきょとんとなった。
 それでいささか戸惑いながらだ。こう彼女に問うたのだった。
「あんた。あたし達と舞踏会かい?」
「オフランスの文化もここで根付くと思いますし」
「オフランスねえ」
「はい。どうでしょうか、悪い提案ではないと思いますが」
「そうだね」 
 ビルメは即答を避けた。その代わりにだった。

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