第7話 飲み会
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
だし」
「い、いや実は、自分まだ飲んでなくて...。沙織さんや優花里さんが張り切って飲みまくっちゃったみたいで...介抱したら飲むタイミング失っちゃったんですよね...あはは」
「あー、だから嵐がさった後にちょっと飲んでみようって感じか」
「ま、まあそんなところです....ご迷惑はおかけしません!...多分」
なるほど、みんなが酔いつぶれたのはこの子が原因かも。そりゃ目の前にこんな子いたら張り切りたくもなるかもね。でもこの子に飲ませないあたりやっぱりみんな優しいな。
「ん...ぷはあ! こ、これがお酒ですか!へんな味ですけど...嫌いじゃないかも...」
「え、もしかしてお酒初めて?」
「おはずかしながらそうですね...今日も本当は飲まないつもりだったのですが、あまりに皆さん美味しそうに飲まれていて....。特に華さん!日本酒をぐいっとやっていてかっこよかったなあ...」
「...へえ。まあ確かにかっこいいね...すみません!私も日本酒ください!」
嬉しそうに華さんについて話す河野さんを見て、なぜかちょっともやっとした。あまり勝負事は好きじゃないがなぜかこの時は強い対抗意識を燃やし、背伸びして飲んだこともないお酒に手を出した。なるほど、これは確かに潰れるな。この子意外と小悪魔かもしれない。
「に、西住さんも飲まれるんですね、流石」
「ま、まあね、ちょっと飲んでみる?」
お酒の力を借りて少しずつ打ち解けた私たちは結局、お店の閉店時間までたわいも無い会話を続けた。元々お酒に強かった私はなんともなかったのだが、河野さんは弱かったようで、帰り道はフラフラだった。「帰れます、西住さんに迷惑かけたく無いです」と懇願されたが、こんな状態の男の子を見捨てて帰れないと、無理やり肩を貸し、家まで送ることにした。だが、その途中、事件は起きた。
「いたいた..よお、西住流。男連れて歩いてるなんて随分浮かれてんねぇ」
「おたのしみ中のとこ悪いけどさぁ、あんた強いんだって? お相手してよぉ」
はぁ...またか。ピアスをつけた金髪の女性の3人組がこちらに近づいてきた。
大洗高校が優勝した後、西住みほの名は瞬く間に全国を駆け回った。『軍神』『最強の後継者』『真西住流』などなど。私が金になると思ったメディアの誇張や、誤解を呼ぶような二つ名が流布したことで『西住みほは喧嘩に強い』という謎のデマがここ数ヶ月流れているようだった。もちろん、喧嘩は強く無い上、勝負事も嫌いな私なのでそのような輩に会うたびに逃げるように退散していたのだが....。今は彼がいる。
(うーんどうやってこの場を切り抜けよう...とりあえず河野さんだけでも先に...)
思考を巡らせてい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ