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あべこべ道! 乙女が強き世界にて
第7話 飲み会
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 決まりだ! じゃあ席空いてるか確認するねー!」
(ナイスまこ!ファインプレー!)
 
「いやあ、楽しみであります!是非親睦を深め合いましょう!」
 
「あ、あはは...お手柔らかに...」
 
こうして、大学入って初の飲み会が開催されることとなった。
 
ーーーー(ここから別視点)
 
「はあ...また戦車道の練習長引いちゃった。もうこんな時間だよ...」
 
付けていた時計を確認すると丁度20時を回ったタイミングだった。高校3年の秋頃から私は戦車道連盟に声をかけられ、早くも推薦で大洗大学に通っていた。推薦が決まった後からは、練習以外の勉学等は一切免除され、その分空いた時間は大学へ足を運ぶ生活となり高校にはほとんど顔を出さなくなっていった。やりたいことを好きなだけしているこの生活が充実しているのは間違いないが、それと引き換えに疎遠になってしまった友人も多くいる。
 
「...みんな怒ってないといいな。久しぶりに会うのに大遅刻だし..」
 
時を遡ること1時間ほど前だろうか、練習の合間に電話が来た。それは高校の頃からの友人からだった。「久々に会いたい、紹介したい人が居る」と唐突に連絡がきたのだが、もうだいぶ出来上がっている様子のその人はどうやら大学の近くに居酒屋にいるようだった。
 
『行けたら行くね、練習長引いちゃうかもだから。私のことは気にしないで』
 
曖昧な返事。本当は這ってでも行きたい、かけがえのない友人たちからの久々の誘いだ。だが、それ以上に疎遠になった友人たちがキラキラしているのを見ると自分の進んだ道に揺らぎが生じそうで、怖いと言う感情が押し寄せ、私の返答を重くした。
結論として練習しながら私が出した答えは「途中から参加して、様子を見る」と言うなんとも情けない答えだった。
 
「ついた。...あ、連絡連絡。LINEを部活仲間以外に送るのも久々だな...」ピコン
 
だが、既読はつかない。まあのみの場だ。話に花を咲かせているのかもしれない。ため息をつきながら店に入り、周りを見渡していると大声で呼び止められた。
 
「おーい!みぽりぃぃん! 久しぶりぃ!」
 
「わ、わあ! 沙織さん!久しぶりって...大丈夫!?」
 
上気した顔の友人は私を見て近づいてくると、間髪入れずに抱きついてきた。ずっしりと重たくのしかかる彼女はほとんどフラフラ状態だった。
 
「おい、沙織、お前酔いすぎだぞ...。すまんな西住さん、こいつ見栄はってガンガン飲んじゃってな。もうダメそうだから今からタクシーに乗せるところだ....。きたばかりで申し訳ないがこいつ送るから私とこいつは帰らせてもらう」
 
「あ、うん...気にしないで。遅れちゃったのは私だし」
 
「すまんな」と小声で言うと沙織をおぶって
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