第6話 K様
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置いて学校なんて...私に恥をかかせるつもり? こっち優先に決まってるでしょ!?」
「はあ...わかりました。...あの、もう1限始まっちゃうんで、何かあるなら手短にお願いしたいんですが...」
「ふふっ...あっはははは!あんた本当に面白いわね!....そうね、気に入ったわ。あんた私の限定ファンクラブに入りなさい! 私が許可するわ! ノンナ! この子猫ちゃんにを!」
「だから、興味ないですって...ファンでもないですし...」
(ん? このカード...どっかで見たような...)
「はあ!?私がここまでしてあげてるのに拒否するとかどんな神経してるわけ!? いいから受け取りなさいよ!」
「だからいらないですって!」ポスッ
「こ、こいつ!ムカつくわねほんとっ!! いいわもう!ポッケに無理矢理にでも...ってあら?これは...私の会員証?」
「はあ...興味ないって言ってるのに持ってるわけないじゃないです....ん?」
ーーー出発前
『お、おい、もうわかったからそろそろでないと!』
『えー!まだ語り足りないのに...あっ!じゃあ帰りにファンクラブショップでも寄ってってよ!僕の会員証貸してあげるからさ!』
『だから興味ないって...金もないし』
『大丈夫! これがあれば全品半額くらいで買えるんだから! 物は試しさ!ほらっ!入れとくからね!』
『ちょ! ポッケに勝手に入れんな!あーもういいや! 行ってきます!』
ーーーー
(やばい...ということはあれは....)
彼女が拾ったのは無理やり渡そうとした新しい会員証とは別の物。すでに『カチューシャファンクラブ 会員証 河野』と書かれた既存の会員カードだった。状況を理解した彼女は先ほどまでとは打って変わって大層ご機嫌になった。
「へえ、なるほどねぇ...。私に興味がない....ねぇ...じゃあこれは何かしらねぇ」
「ちがっ! それは弟ので!たまたま今日ポケットに押し込まれて!」
「河野殿..その言い訳は流石に無理が...」
「本当なんだって!そうとしか言いようが」
「ふふっ、はいはい、わかってるわ。ムカつく男だと思ったけど、照れ隠しだったのね。案外かわいいところもあるじゃない。...私本気で気に入っちゃたかも」
「カチューシャ様、そろそろお時間です。車の準備はできてますので...」
「あら、もうそんな時間なのね。じゃあ、はい、これあんたの会員証。裏に私の連絡先書いといたから、いつでも連絡してきなさい。こんなことするのあんたが初めてなんだから、光栄に思いなさいよ」
「あの!だから誤解ですって! これはたまたまポッケに入ってただけで!」
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