第6話 K様
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「あー!いえこっちの話です! 気にしないでください!」
「は、はぁ...ん? 正門前、随分人だかりできてますね...何かあったのかな?」
「うーん、大学側での催し物は特にはなかった気がするのですが...」
大学前には生徒であろう女性の人だかりに混じって、近くから来たであろう、一般の野次馬も集まっており、パッと見ただけでも100人以上はいるだろう。大学側も警備員を総動員して騒ぎを鎮めているのが見て取れる。
「あ! あの走ってるのって...おーい! 武部殿!」
「あー! ゆかりん! それに河野ちゃんも! 二人もあれ目当て!?」
「あれ...?あの人だかりのことでありますか?」
「えっ!? 知らないの!? 今うちの校門前にK様来てるんだよ! 本物だよ!!」
「K様って...うええ!?」
「こんな機会滅多にないよ! 二人も行くでしょ!? モテモテのコツ盗んでやるんだから!」
「は、はい! 一目見ておきたい感じはありますね!」
「あー、いや俺はいいかな...」
「えー!? あんなイケメンが目の前にいるんだよ!? 私男だったらもう惚れてるレベルだよ!」
「え、ええ...かっこいいのかもしれないですけど...あんまり興味がなくて...」
「それは聞き捨てならないわね!ノンナ!あの男のところまで道を作りなさい!」
数百人はいるであろう人混みを一瞬で退かした二人の高身長な女性が作った花道から歩いてきたのは、やはりテレビで見た通り、ちんちくりんの小学生にしか見えないような少女だった。周りがざわめく中、ゆっくりと自分の前に立ちはだかった(小さいから自分が見下してるけど)彼女はあらんばかりの笑顔で話し始めた。
「おやおや...随分大口叩く子猫ちゃんがいると思ったら...あなたが噂のファーストワン様かしら?」
「ファースト...あ、なるほどもうそんな呼ばれ方が...えっと...はい、多分そうですけど...」
「へえ....あんたがねぇ...ふーん...」
少女はまるで品定めをするように自分の周りを回りはじめ、じろじろと全身を舐め回すように見られた。元の世界では気にしたこともなかったが、案外あまり気分のいいものじゃない。
「少し芋っぽいのが気になるけど...まっ及第点ってとこね!」
「あ、あの...何か俺に用ですか...? もう学校にいきたいんでどいてもらえると助かるんですが」
(なんでこんな上から発言なんだこいつ...)
「ふふっ...あっはは!さっきの発言といい、このカチューシャ様に対してそんな生意気な態度とる奴初めてよ。それに言っとくけど、私はあんたにわざわざ会いに来たのよ。そのカチューシャ様を差し
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