脱出劇に神の加護を
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
、子供の癇癪を受け流すようにゆるゆると手を振った。
「大丈夫、リゾートの怪盗の仕事は必ず上手くいく。……なあ、『護神』?」
『ひゅううん』
「……なんでわたしじゃなくてその子に言うの。言いたいことがあるならはっきり言いなさい!!」
【ラディ。これ以上構っていても仕方ありません。毒を受けた体のチェックもしたいですし、早く帰りましょう】
スズの声とともにスマホがふわふわと浮かんでわたしの手元に戻ってくる。その声は、どう聞いても急かしている。それが余計に気に障る。
ルビアに浮かんだ表情は、冷笑だった。
「なら、せめてもの詫びにはっきり言おか。お嬢ちゃんは、キュービに本気で盗むと約束して。キュービもうちらに本気で阻止するよう約束した。そのつもりやろ?」
「……そうよ」
「キュービはお嬢ちゃんが盗むのを阻止する気なんてさらさらなかった。むしろ、何があっても盗ませたかったんやろうね」
「ふざけないで!わたしを捕まえ損ねたからって、負け惜しみにもほどがあるわ!!」
「負け惜しみも何も──怪盗を護神たるその子が守ってるのがその証拠やろ?」
『……』
護神の子は、何も言わない。護神の子は、おろおろとわたしとルビアを交互に見始める。
どんな力を持っていても、喋ることはできないみたいだからこうした話し合いはどうにもできないのかもしれない。だけど、否定してほしかった。
「じゃあ、わたしが脱出できたのはこの子のおかげでわたしには何もできないって!?」
【ラディ!! 落ち着きなさい!!】
「っ!!」
スズに大声を出されるなんて、初めてだった。頭が真っ白になる。
【あなたもルビアさんも、予想外の状況で気が立っている。今話してもまともな議論になりません。・・・・・・ここは一旦帰りましょう、ラディ。護神も、来てくれますね】
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ