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ヘタリア大帝国
TURN29 開戦前夜その二
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「ただ。貴方達のどちらかに行ってもらうことになります」
「わかりました。ではその時は」
「日本との決戦に赴きましょう」
「頼みます。日本は我が国から見れば小国ですが」
 だがそれでもだとだ。セーラは侮らない顔で述べていく。
「原始の八国の一つでありこれまで本土を死守してきています」
「正直な、あいつは強いぜ」
 イギリスもそのことは言う。見ればこの会議に参加しているのは彼と妹にセーラと騎士提督達、そして王族の面々だけだった。植民地の国々はいなかった。
 その彼がだ。こう言うのだった。
「ロシアにも勝ってるしな」
「そして中帝国にもですね、今現在」
「土壇場になったらすげえ底力を発揮するんだよ」
 それが日本だというのだ。
「俺は直接やり合ったことはないけれどな」
「はい、あの方は強いです」 
 妹もだ。冷静な顔でこう述べる。
「ですから油断はなりません」
「貴族達は違うみたいだよ」
「議会はそうは見ていないわね」
 マリーとエルザ、二人は貴族達のことを話した。
「あの人達は日本帝国との戦争に入ってもね」
「植民地の艦隊だけで充分と思ってるわね」
「無理です」
 即座にだった。セーラは否定した。
「日本帝国は強いです。植民地艦隊ではとても」
「僕もそう思うんだけれどね」
 マリーは難しい顔になって姉に話した。
「あの人達はそう思っていないから」
「というか根拠なくエイリスが最強だと思ってるのよ」
 エルザはいささかシニカルに述べた。
「最近ガメリカに押されてる状況なのにね」
「ですか。ここはです」
 どうかとだ。セーラは真面目な顔で話していく。
「貴族達は無視してです」
「精鋭を送りますか」
「そして然るべき数の艦隊を」
 こうネルソンにも答える。
「そうします」
「それでいいかと」
「今暫くドクツは攻めて来ないでしょう。今の間にです」
 戦力を回復させて。そしてだというのだ。
「日本とも戦いましょう」
「できれば早いうちに終わらせたいな」
 イギリスは真剣に自分の望みを言った。
「さもないとな。この状況が続くとな」
「国力を消耗するばかりです」
 妹も言う。
「長期戦は避けたいです」
「全くだ。そうも言っていられないかも知れないけれどな」
「できれば、ですね」
「本来ならガメリカや中帝国と共同して日本帝国を一気に倒したいのですが」
 セーラは沈痛な顔になって述べた。
「しかしそれは」
「あの連中はむしろ敵だからな」
 イギリスは苦い顔になっていた。
「俺達が一旦太平洋から追い出されるのを待ってるんだよ」
「その通りです。彼等にとって植民地はです」
 どういったものかということもだ。セーラはここで言った。
「唾棄すべきもの。搾取の対象に他ならない
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