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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第06話 『その時まで』
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「……そうね」
「少し自信ついたか?」
「ええ。多少だけれども」

 それを聞いた洸夜は、そっと微笑むのだった。

「そっか」
「ええ。私は私の音で頂点を目指す。だから兄さん、私の事しっかり見ててね」
「ああ。もとよりそのつもりさ。そして???」

 そこで一度言葉を切った洸夜は、改まってこう告げた。

「???俺を超えて行け」
「もちろんよ」
「言うようになったな」
「兄さんのおかげでね」

 紗夜は、笑顔でそう告げるのであった。
 そんな紗夜を見た洸夜も、釣られて笑うのであった。

「さてと、早いとこ帰ろうか」
「そうね」

 2人は、そのまま家へと歩みを進める。
 そんな中、不意に紗夜が洸夜を呼ぶ。

「洸夜」
「ん、何?」
「……ばか」

 そう言った紗夜は、フフッと笑うのだった。
 対する洸夜は、突然の事に頭の処理が追いつかなかった。

「お、おい! それどう言う意味で言ったんだよ?!」

 そう言った洸夜は、自転車を押しながら走って紗夜を追いかけるのであった???





 土曜日。
 早朝のCiRCLE内の会議室では、まりなと祐治と洸夜が机に突っ伏していた。

「な、何とか終わったね……」
「す……すいません。いきなり……無茶振り……振ってしまって……」
「良いよ……それより……やることは終わったし……今日の夜に向けて……準備しようか……」
「そう……ですね……」

 一徹した3人の体はボロボロであった。
 しかし、そんな状況下に置かれても、彼等は準備へと取り掛かるのであった。

「……洸夜……アンプどこだ……」
「廊下を突き当たった……部屋の中……」
「おう……」
「まりなさーん、楽器って下ですか……?」
「そうだよ〜……」

 といった具合に、正に活動限界といった感じであった。
 そんな時、CiRCLEの扉が開かれた。

「おはようございます」
「おはよう。氷川君。祐治君」
「……おはようございます」

 雅人、結弦、大樹の順に、Crescendoの残りのメンバーが入ってきた。

「おはよー……みんな、早かったな……」
「祐治君達が徹夜してやってくれたのに、遅刻なんてできないからね」

 結弦は相変わらずのスマイルで、そう受け答えるのだった。

「……悪い……早速だが……手伝ってくれ……」
「ああ」
「はいはい」

 洸夜は、雅人と大樹を引き連れ下へと降りていった。

「……よし、こっちも早いところ終わらせよっか」
「そうですね」

 まりなの言葉に答えた祐治と、その隣に立つ結弦は、着々と準備を進めていくのであった。
 そして、Crescendoが集合してから30分程で、準備
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