暁 〜小説投稿サイト〜
ヘタリア大帝国
TURN29 開戦前夜その一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
                               TURN29  開戦前夜
 中国は重慶でシュウ皇帝の前で報告をしていた。その報告は。
「いよいよある」
「そうか。ガメリカと日本が遂にか」
「エイリスもある。ただソビエトは動かないある」
「あの国はそうだと思っていた」
 ソビエトに対してはだ。皇帝は素っ気無くこう答えた。
「どうせ我々の戦いの成り行きを高みの見物といっているのだろう」
「おそらくは」
 中国はその両手で明の字を作る中帝国の礼をしながら上司に話す。
「そうあるかと」
「ではよい。どうせこの戦争の後でだ」
「ソビエトと、あるな」
「あの国とはどのみち相容れない関係にある」
 中帝国の伝統だった。それは最早。
「北の国だからな。どの様なことを言ってもな」
「北の遊牧民族こそは我が国の宿敵ある」
 中国が国家として意識を持ってからだ。それは変わらないことだった。
「だからあるな」
「その通りだ。祖国子は朕よりわかっていると思うが」 
 長く生きているだけにだ。それでだというのだ。
「ロシアとも仲が悪かったな」
「原始の八国の中では一番ある」
 このことは中国も否定しない。そうだというのだ。
「あいつは油断ならない相手ある」
「朕も同じ考えだ。ロシアはな」
 皇帝は玉座に座りながら述べていく。
「危険だ。しかも共有主義なるものは絶対に国の中に入れるな」
「そうした意味でリンファの日本への投降は幸いだったあるな」
「有能な女だがな」
 皇帝は少しばかり微妙な顔になってこうも言った。
「共有主義だけは駄目だ」
「だからこの戦争の後は」
「日本にソビエトをぶつける考えはいい」
 皇帝としても中帝国としてもだというのだ。
「夷を以て夷を制すだ」
「そうするあるな」
「それでいこう。まずは日本とガメリカが戦争に入り」
 そしてだというのだ。
「日本がガメリカとの決戦で敗れた時にだ」
「我が国も反撃あるな」
「満州を含めた全ての領土を奪還するぞ」
「その為にも今は」
「戦力を蓄えておくのだ」
 戦力の回復、それに専念するというのだ。
「わかったな。そうするぞ」
「わかったある。では今はそれに徹するある」
「そうするのだ。最早リンファとランファはいない」
 中帝国の武の二枚看板はだというのだ。
「祖国子と妹子だけが頼りだ。頼むぞ」
「お任せあるよ) 
 中国はまた両手で明の字を作って礼をした。彼等は時を待っていた。
 そしてそれはエイリスも同じだった。ドクツとの決戦を首の皮一枚で凌いだ彼等は壊滅状態になった戦力の回復に務めながらその時を待っていた。
 セーラはまだ腕や頭に包帯を巻いている。だがそれでも会議に出席していた。
 そのうえでだ。その会議の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ