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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十八話 決戦!!ヴァーミリオン星域会戦です。その1
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撃をさせない戦法だった。いくら二人が強いと言っても、それは陣形と砲撃地点という要件がそろってからの話である。まるで獅子身中の虫のように、フィオーナはまとわりついて離さなかった。さらに一隊を自由自在に進出、後退させ、上下左右あらゆる方向から敵へけん制射撃をし続けていた。

「くそっ!!やるじゃないか!!姑息な戦法を!!」

 普段自分が行っている戦法を逆手に取られたアッテンボローは頭に来ていた。ウランフに至っては、沸騰寸前の形相である。

「流石はフィオーナ・フォン・エリーセル元帥だな」

 後方にあって戦況を見ていたヤン・ウェンリーは賞賛の声を上げた。

「防御陣形に隙がない。いや、それ以上にアッテンボローとウランフ提督を攻撃位置につかせない。用兵家としてはローエングラム公やロイエンタール元帥、ミッターマイヤー元帥の両提督に並ぶか、あるいはそれ以上なのかもしれないな」
「ヤン提督、感心している場合ではないですよ」

ユリアンが指摘した。

「わかっている。隙がないと言ったのはあの人個人の話であって、他の艦隊はアッテンボロー、ウランフに気を取られ、知らず知らずのうちに陣形を乱し始めている。・・・・シャロン、ビュコック両提督に連絡。第二段階を進言します、と」
「はい」

 フレデリカがうなずいた。ヤンの言葉は直ちに第五艦隊と第八艦隊にもたらされた。二人は瞬時にうなずき、同時に行動に移った。すなわち大きく左右両方向から迂回して、側面から砲撃する姿勢をとってきたのである。

「やるではないか。だが、それも想定済みだ」

 ラインハルトは落ち着いていた。彼は長年の研究から、ヤン・ウェンリーの戦い方が柔術に似ていると思うようになっていた。ヤンは、自分からはあまり積極攻勢をしない。単に正面の艦隊の平押しでの決戦で有ればこちらがかつ。ヤンの場合、こちらの勢いや陣形を利用して体制を崩しにかかるのだ。つまりは左右の二艦隊に手当てし、こちらは陣形を堅守し続けるようにすれば、それでヤンの手は封じられることになる。

「ロイエンタール、ミュラー」
『ハッ!!』
「卿らの出番だ。あの二艦隊を封鎖せよ」
「しかし、そうなれば正面が手薄になりますが」

と、ロイエンタール。

「わかっている。それについても手は考えてある。心配は無用だ」
「わかりました。では・・・」

 両提督は直ちに迎撃陣形を敷いた。ロイエンタールはシャロンに、ミュラーはビュコックに向かったのだ。

「よし、敵が分散した」

 ヤンにとってもまた、この行動は想定済みであった。彼の方程式は着実に勝利への回答を出しつつあった。彼は後置していた最後の二艦隊司令官に連絡を取った。
 本来なら独断専行である。この場合、艦隊指揮権はシャロンにあるのだが、シ
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