032話 行動を開始した二人の異邦人(後編)
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とやら…どうだ、士郎? 本気で私の従者になってみないか?」
割と本気の顔になっているエヴァを見て俺は一歩後ずさりをした。
そこで姉さんが「駄目よ!」と止めてくれなければ危ないところだった。
エヴァは残念そうにしていたがなにか思いついたのか目を光らせた。あれは…よくないことを考えている目だ。
「なぁ士郎? 私がせっかく新しい技法の糸口を見つけてやり、しかも威力を試したいがために氷の柱まで作ってやったのだからその分の代価は支払ってもらっても文句はないな?」
「な、なにを企んでいる…!?」
「なに…以前イリヤにお前の血は美味しそうだという話を聞いてな?」
シークタイムゼロ脊髄反射で俺は姉さんの方を向いたが姉さんはすでに顔を逸らしていた。
くっ! なにエヴァに呟いているんだ姉さん!?
その間にもエヴァは迫ってきている。いつの間にか俺の体はなにかに縛られ動けないでいた。
「なっ!? これは、糸か!」
「ほう、よくわかったな? まぁ解析を使えば楽勝だろうな…さて、では代価に血をもらうぞ? 安心しろ。お前の世界とは違い死徒とやらにはなりはせん」
「そ、そういう問題では…!? そ、そうだ! きっと俺の血は鉄の味がするからまずいに決まっているぞ!」
「言動が混乱しているぞ?試してみなければわからんな。無駄な抵抗するよりさっさと捧げればそれで済むんだ。これでも安請け合いなんだぞ? 感謝しろ…」
「………」
まわりに助けを求めたが姉さんは本当にごめんと両手を合わせている。チャチャゼロはケケケと笑いながら「マーアキラメロ」といっている。茶々丸などは論外だ。
そして抵抗も出来なく俺の首筋にエヴァは噛み付いた。
な、なんでさー!?
…結果、俺は血を結構吸われてしまった。
エヴァが言うには俺の血は下手なワインより芳醇で魔力の回復量も凄まじいらしく何度でもいけるといっていた。
俺は内心かなり泣きそうになったが、まぁ確かに考えてみれば俺の今の体は橙子さんの最高級の作品でアヴァロンも入っているのだから血も美味いのかもしれない。
そんな事実は知りたくなかったが…。
これからは背後に気をつけねばいかないな?
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