TURN27 人類統合組織ソビエトその八
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。彼のところにも被害が及んだのだ。
「あれとどう関係が」
「全ては調査中だ。だが」
それでもだと。ゲーペはまた彼女らしくないことを言った。
「真相がわかるかどうかというと」
「無理かな」
「難しいだろう」
ゲーペはその顔でロシアに述べた。
「残念だがな」
「そうなんだ」
「それでだが」
ゲーペは話題を変えてきた。安い大量生産用のカップの中にある紅茶を飲みながら。
「日本についてだが」
「うん、日本君との条約はやっぱり」
「そのうち破棄するべきだと思う」
「そうだよ。そのつもりなんだから」
カテーリンも言ってきた。その幼い顔を顰めさせて。
「日本は資産主義で皇室なんてあるのよ。おまけに幼女好きの人が一杯いるじゃない」
「幼女好きっていうと」
ラトビアがまた言う。
「ロリコフさんですよね」
「ラトビア君今日一日御飯抜き」
「えっ、何でですか!?」
まだ立たされているがそこに加えてそれだった。
「何で僕御飯まで抜きなんですか!?」
「あいつの名前は出さないでって言ってるでしょ」
だからだとだ。カテーリンは顔を顰めさせて言うのだった。
「だからよ。君御飯抜きよ」
「うう、僕何か不幸ばかり続くんだけれど」
「そんなこと言うからよ」
カテーリンはむっとした顔でそのラトビアに言い返す。
「全く。何であんな変態が天才科学者なのよ」
「けれど凄い人だよ」
ミーシャはそのロリコフをフォローした。
「ソビエトの為っていうかカテーリンちゃんの為に働いてくれてるじゃない」
「それでもよ。私変態嫌いなの」
自分がどう見られているかわかっているからこその言葉だった。
「というか不潔な男女交際も駄目よ」
「不純な?」
「男女交際も清潔によ。ソビエトは皆が家族なのよ」
だから家族制度を廃止したのだ。カテーリンは人民全員を家族としているのだ。
「そんなことも絶対に許さないんだから」
「そうです。そうあるべきです」
ゲーペはカテーリンのその主張に全面的に賛成の意思を見せた。
「全ては共有主義の下に」
「世界は幸せになるんだから」
カテーリンはあくまで純粋に考えていた。そしてその純粋なままでだ。
紅茶を飲みながらまたロシアに言ったのである。
「祖国君、そろそろ時間だから」
「うん、赤本の朗読だね」
「皆で読もう。共有主義の素晴しさを勉強しよう」
こう言ってだ。ソビエトの中の国家達と共に赤本を出してそれを読むのだった。ソビエトはまさに共有主義とカテーリンが全てを動かしていた。そうした国だった。
TURN27 完
2012・5・19
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