TURN27 人類統合組織ソビエトその六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そうして食べ物でも差別はありません」
「そうあるべきだよ、皆」
「ましてや地位や財産で自分達だけお腹一杯いいものを食べるのは」
「酷いことだからね」
「カテーリン主席は私達にそう教えてくれています」
実際にそれを行動に移しているのがカテーリンなのだ。今彼等の目の前にいる。
「共有主義こそが人類を幸せにします」
「そうなるよね。じゃあね」
「はい、今から主席のお話を聞きましょう」
こうした話をしてからだ。彼等はカテーリン、ミーシャの後ろに整列した。そこにはゲーペもいる。
その彼等を後ろにしてからだ。カテーリンはこう己の前、まさに体育館での生徒集会で集っている生徒達の様に整然と整列しているソビエトの軍服の彼等に言ったのだった。
「気をつけ!礼!」
この言葉と共に彼等は気をつけをして頭を下げる。その彼等にカテーリンは今度はこう告げた。
「休むな!」
気をつけのままだ。その姿勢にさせてだ。
カテーリンはその彼等に今度はこう言った。
「これから人類統合組織ソビエトの定期集会をはじめます。まずはです」
カテーリンは高くきびきびとした声で言っていく。正面を見て。
「今期の人民の風紀ですが」
「はい!」
赤い服の中から一人の女が手を挙げた。男女と違う列にそれぞれ分けられている。
「同志カテーリン、報告して宜しいでしょうか」
「許します、同志カテジンスキー」
カテーリンは彼女の名を呼びそれを許した。
「それはどうなっていますか」
「はい、人民は皆道に落ちているゴミを拾っています」
「ペットの犬や猫のうんこはどうしていますか」
「散歩の際常にビニールに包んで処理しています」
「そのまま帰っている者はいませんね」
「見つけ次第処罰しています」
「私の言った通りその場に三時間立たせていますね」
カテーリンは女に問うた。
「そうしていますね」
「はい、そうしています」
「それは何よりです。では次は農業です」
「はい!」
今度は若い男が右手を挙げてきた。
「同志カテーリン、発表しても宜しいでしょうか」
「同志マレンコフ、発表を許します」
「それでは」
カテーリンのその言葉を受けて若い男も言う。
「ウクライナでの小麦の生産目標は達成しました」
「ではベラルーシのジャガイモはどうですか?」
「それも達成しました」
「リトアニアの牛乳は」
「それは」
リトアニアの牛乳の話になるとだ。男は気まずそうに口ごもった。だがカテーリンはその彼に対して間髪を入れず容赦のない感じでまた問うた。
「達成したのですか。していないのですか」
「九十八パーセントの達成です」
「二パーセント足りませんね」
「・・・・・・はい」
男は俯いて答えた。
「申し訳ありません」
「達成でき
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ