第一部
おかしなこと
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「ただいまー」
【夏期龍帝祭】が始まって以来、何処かへ行方を眩ませていた《永遠レイア》が黒鋼の屋敷に戻ってきた。
「あ、兄さん」
《黒鋼焔》はレイアに近寄る。
「紫闇は？」
「あそこ」
《立華紫闇》は打倒《クリス・ネバーエンド》を目指して修業に励んでいたが、今日も【打心終天】を会得できないでいた。
「レイアさん、帰ってたんですね。一体今まで何処に行ってたんですか？」
「私の学校だよ。別に出席しなくても卒業は出来るんだけど、たまには顔を出しておいた方が良いからね。留守を任せてる人も居るし」
そこへ《黒鋼弥以覇》もやって来た。
「ほっ、ほっ、ほっ。久し振りに小僧の鍛練を見ておったがレイアまで揃うとはの。どうじゃ、お主も参加せんか？ 体が鈍っとらんか確認してやるぞい」
レイアは道着に着替えてから紫闇と共に焔と弥以覇に見られながら基礎能力を上げて地力を付ける為の訓練に参加。
肉体を酷使し【魔晄】を枯渇させ、精神を磨り減らす苛烈な鍛練だが紫闇は歯を食い縛って耐え、滝のような汗を滴らせていた。
しかし、そんな彼の直ぐ近くでレイアは軽いジョギングでもしているかのように淡々と、平然とした顔で汗を掻かず、息も切らせず紫闇と同じメニューをこなす。
「やっぱり兄さんは化物だ」
焔は嬉々としている。
レイアの弟《エンド・プロヴィデンス》もそうだが二人は持って生まれた才器が自分達と比べて良いようなレベルに留まっていない。
紫闇もレイアの様子を眺めながら呆れているが修業は休むこと無く続けていた。
そんな彼がとある行動を取ると弥以覇が驚き焔が喜びレイアが関心して視線を向ける。
「どうしたんだよ三人とも。俺は別に何もおかしなことはしてないだろ？」
「いや、さっき紫闇の小僧がやったことは黒鋼流において間違いなくおかしい。何せ儂と焔が絶対に出来んことをしたからのう」
「見るのは兄さんとエンド君以来だね。この調子でどんどん強くなってくれ。打心終天と一緒にその技術も伸ばそう。今年だけでどれだけ強くなるのか本当に楽しみだよ」
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修業が終わって一段落した後、紫闇はレイアに今まで何をやっていたのか尋ねる。
「さっきも言ったけど自分の学校に行った。それから留守を任せてる人間に会ってきたんだ。ついでに一部を除いた各学年の序列最上位を何人も野試合で負かしてやったよ。まったく生徒会長っていうのは仕事が多い」
紫闇は目を丸くした。
【魔術学園】の生徒会長は学園
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