第92話 司馬の猟犬
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るか!」
北郷の言葉に逃亡兵達は白けた表情を彼に向けていた。
「調度いい。お前を犯して憂さを晴らしてやるぜ!」
北郷は何か思いついた表情をすると、不快感を覚える笑みを浮かべた。
確認するまでもなく、北郷は屑だったわね。
でも、周囲を囲まれていることも気づかず、自分が優位と思い込んでいるなんて滑稽ね。
「もう嫌だ! 北郷、お前の言うことなんか聞けるか! 俺は賊になるために義勇軍に入ったんじゃない」
逃亡者の一人が声を上げると、それに釣られるように、10人の逃亡者が北郷に剣を向けた。
「お前等、その人数でどうやって戦うんだ。その女を会わせても11人、こっちは21人だぞ。くくっ、くく、今からでも遅くないぞ。一緒に楽しもうぜ」
北郷は歯向かった兵士達に下卑た笑みを浮かべ言いました。
「う、うるせえ! お前なんかとこのまま行動したら、俺たちは山賊か盗賊が関の山。北郷、お前を殺して、劉将軍に助命を願い出てやる」
10人の兵士は北郷の誘いに乗ることなく、剣を更に深く構えた。
「お前等……。後悔しても遅いぞ」
北郷は優越感に浸っている表情をしていた。
「殺れ」
私は北郷の下品な表情が見る絶えず、怜悧な瞳を北郷達に向けると右手を上げ、戦闘開始の合図を出した。
「な、何……」
私の部下は闇夜より現れると、あっという間に北郷を除く全ての逃亡者を斬殺した。
北郷に抵抗した10人には悪いけど、北郷を生かすことに決定した以上、目撃者は生かしておけない。
「ひ、卑怯だぞ!」
北郷が自分の周りでもの言わぬ死体になった逃亡兵を狼狽した表情で見ていた。
「ふふ、安心しなさい。北郷、お前を見逃してやるわ……」
私は満面の笑顔で言いました。
「ほ、本当か!」
北郷は安堵の表情をしつつ、周囲で剣を構える私の部下をチラチラと見ていた。
「ただし、条件があるわ」
私は無表情で口元だけ笑みを浮かべた。
「条件って何なんだよ……」
北郷は私の笑みに不気味さを感じたのかたじろいでいた。
「ふふ、お前の右目を貰うとしようか? 義兄上にも体面が立つ」
私は口から出任せを言うと、部下に目配せをし、北郷を押さえつけさせた。
「はは、冗談だろ? や、やめろよ……」
北郷は私の部下に押さえつけられながら、怯えた表情をした。
「片目で命が助かるなら安いものでしょ」
私は酷薄な笑みを浮かべ北郷を見た。
「や、やめろ、止めてくれ------!」
北郷は声高に叫んだが、私は彼の懇願を無視して、彼の右目を情け容赦なく抉りだした。
「ギャア------! 痛でぇええ------!」
北郷は右目
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ