011話 ゴーレムとフードの男
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れってカーネ―――……」
「それ以上はいってはいけませんよ?」
「!?」
俺はなぜか反射神経をフルに駆使してとっさにクウネルの鋭い視線を避けた。
なんだあの極上の笑みは? 本気で寒気がしたぞ!
「わかっていただけたようですね。では次になぜ私があなたのことを知っているかというとですとね? 近衛学園長にあっさり教えていただきました」
「はぃ!? な、なにを考えているんだあの妖怪爺!? あれほど他人には秘密を守ってくださいと頼んだのに! ふふふ……やはりここはあの計画を実行に移すべきか?」
「どうやらお困りのようですねぇ? 平気ですよ? 私以外には多分話してないと思いますから」
地面に手をついている俺に極上の笑みで話しかけてきたクウネルの表情を見た瞬間、確信した。
こいつは人を罵ることが三度の飯より大好きなカレンと同類だと!
だからクウネルとはまともに会話をしようとしても無駄だと判断し即座に話を変えることにした。
「……それで? なぜ今俺に接触してきた? ただ世間話がしたいというだけではないのだろう?」
「察しがいいですね? はい。学園長の話を聞いて興味を持ちまして本人がやってきたとあってつい知的好奇心を抑えることができなかったもので」
「それで? 本当はなにが目的だ?」
「きついですね? もっとやわらかく生きたほうが得ですよ?」
「すまんな。これが地でね」
「そうですか。ふふふ……やはりあなたは面白い方です。では本題ですがぜひあなたの過去を覗かせてもらいたいのですが。異世界の魔法、そちらでは魔術ですね?とても興味がありまして」
「それは断固として断る。あいにくだが俺はまったくの他人に話せるような過去は持ち合わせていないのでな」
「そうですか。それは残念です…………では代わりに衛宮イリヤさんの記憶を覗かせていただきましょうか?」
………………こいつは今、なにをいった?
姉さんの過去を覗くだって?それは……生まれる前から聖杯として調整を受けて一生を終える運命だった過去を覗くということなのか?
それだけは、許すわけにはいかない。
そんな悲しい過去を知られたら姉さんは……。
「ッ!! クウネル……一つだけいっておく。俺の記憶はどれだけ覗いても構わない。だが、姉さんの記憶を覗こうとするならば俺は貴様を……殺す!!」
できるだけの殺気をこめて瞬時にクウネルの首筋に刃を突きつけた。
「!? (これほどとは……どうやら少し踏み込みすぎたようですね? この方はやるといったら確実にやる人のようです)」
それからしばし時間が止まる感覚があったが、
「わかりました。残念ですがイリヤさんの記憶は覗かせていただくのはやめておきます」
「そうか。ならいい」
「……ですが私はな
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